惰性で抱かれる大人の事情
あのとき書いた想いは
今の私には理解できない
今描いたこの想いは
あのときの私には描けない
何も知らない子どもが
背伸びして色付けて
描いたキャンバスは
綺麗な嘘で飾られて
偽りも可愛らしいものだった
色は無限を秘めていた
あれからどれくらい経ったろう
大人になった子どもは
等身大の思いの丈を
キャンバスに描きつづける
真実を隠そうとして見える嘘は
輝くことを知らなくて
見えている現実は
あのときには還れない
ウブに好きだったあの恋も
今じゃ惰性で抱かれる大人の事情
悲しいほどに運命は変わる
そんなこと あのときは
思ってもいなかったでしょう?
憧れの眼差しで見つめるは
私の恋する人よ
帰りたい
帰れない
あの頃へ