短編小説『ワタクシは12月26日でございます』
はじめまして。と言いましてもワタクシのほうは年に一度、必ず皆さんとお会いしているわけなんですが。ええ、年の瀬の忙しい時節いつもご挨拶させていただいております、ワタクシは12月26日でございます。あはは、ですよね、よく言われます。昔からクラスの点呼で先生が飛ばしちゃうくらいでしたから。
ええ、そういうの、諦めてるっていうか、別にいいって思ってるんですけど、でも誰かが声を挙げないといつまでも変わらないんで今日はおもいきって主張したいんですけれども。あの〜、その年の新語・流行語大賞とか、漢字とか、ああいうのを発表するの、翌年にしませんか。正直なところ、いつも腹立たしく思っているんです。今年の、今年の、って謳っていますけど、その今年の、にワタクシ一度も入れてもらえたことがないんです。
女性差別とか、人種差別とか、LGBTQとか、そういうのに世間がよーやく目を向けるようになって、政治家の皆さんも建前かもしれないですけど、そういうの、なんとかしようっていう声を挙げてくれるようになったんですけど、そういう人たちでさえ、ワタクシたち、今年から排除された者たちには目を向けてくださらないんです。
12月中旬以降のワタクシたちは、もっとこの事実について思うところを声にしていかないと、いつまでもワタクシたちは今年から排除されたままですよ!ってワタクシなんかは飲み会のたびに話するんですけども、ワタクシたちの飲み会といえばいつも忘年会ですから、意見を述べたところでその時のことまでみんな忘れてしまうんですよね。そのうえ、最近は忘年会なんて必要ないって言われてしまうものですから、時代は変わりましたよね。飲みにケーションなんて言ってたらそれだけでハラスメントなんです。でもそういうことを主張するいっぽうで、どうして今年から排除されている現状については意見しないのか、ワタクシは不思議で仕方がないんですが。
実際、12月中旬以降も一枚岩ではありません。まず12月24日と25日は聞く耳を持ちません。あの2人が特別であることは皆さんもおわかりですよね。31日も同様です。ワタクシが何を言っても響きません。関わらないほうが無難だと思われているんです。フォローも外されちゃいました。23日は最近ようやく風当たりの強さに気づいたみたいですけど、まだまだ祝日気分が抜けないみたい。21日と22日は、まぁ、23日もですけど、ゆず風呂とか、かぼちゃとかがあるから、ワタクシの主張にはピンとこないみたいです。27日から30日までは、気分が来年寄りですから、別に今年から排除されてもいいと思っています。
そんなことでよいのか!とワタクシなんかは情けない気分になるのですが、さきほどカレンダーを確認したら今年はワタクシ日曜日なんですよね。とりあえず、今年はそれで手を打っておこうかしら。声を挙げ続けるって難しいものですね。
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