不要不急が面白い
不要不急じゃない!って叫ぶやつが私はもう本当に苦手でして。音楽も演劇も読書も映画も不要不急だから面白いんだと思うんです。ラジオもそう。「災害時に役立つからラジオは必要」という言い方をされることがあります。ラジオが必要なのは災害時に役立つからだけではありません。別に普段無くてもそんなに困らないから、あると安心するんです。ラジオが絶対に無くてはならないもので、みんなが耳をすましてラジオに聞き耳立てている世界なんて嫌です。別に必要のないものが、当たり前にそこにあるのが大事なんです。だから面白いんです。それが、「いざという時のため」に集約されてしまうと、途端にラジオはつまらないものになってしまう気がします。災害時に非常に重要な役割を果たすことは間違いありませんし、それがラジオの存在意義であることを否定するものではありません。でも、そうでなくてもラジオは必要なんです。それは不要不急だからなんだと思います。
不要不急だから面白いのに「不要不急じゃない!」って気張らないとやれない世の中はやりきれません。やる側がそれを言わないといけないのは辛いものがあります。「僕たち、いまからとても大事なことをやります。そのつもりで見てください」って言われて観るのは肩が凝ります。半分酔っ払ってるおっさんが自分の知り合いのためだけにやってるバンド活動のことを「いまこそ音楽の力を!」なんて掲げないとやれないのは悲しいでしょう。そのうえ、そんな活動のための助成金を申請してたりしたら悲しいでしょう。そんなことを叫ばなくても本来舞台は面白いはずなんです。
私は「涌井大宴会」っていうイベントを年に一度開催しておりまして、磔磔という非常に歴史あるライブハウスが毎年声を掛けてくださるのですが、やっぱり今、このタイミングでライブイベントをするっていうのは、どこかで「不要不急じゃない」というのを求められるような気がして、自分のイベントはまだまだできないなー、寂しいなー、と思っておりましたところ、幸運にも大好きな大先輩にイベント出演のオファーをいただきまして、そういうカタチでなら出させていただきましょう!という、なんとも、どういう理屈かわからない理屈で出させていただきます。
結局面白ければなんでもいいっていう気持ちがあるわけでして、そこに「不要不急じゃないこと」っていう条件が加わると、なんでもよくなくなるじゃありませんか。そのハードルは私にとって必要ないんです。でもこのことを不要不急なんですって書いてしまうと、でも「だから」面白いんですよね?ってことになって、むむむ、つまり、このままでは不要不急じゃないことが不要不急になってしまうではないか!と、すなわち、不要不急とそうじゃないのは実に紙一重、表裏一体、阿門と吽門、ごちゃごちゃ考えてねーで面白いことやったもん勝ちなんじゃいアホー!!というわけで10月31日は磔磔にて、「ドクロズハロウィン」っていうイベントにオープニングアクトとして出演いたします。よろしくお願いいたします。
10月31日(日)
京都 磔磔『ドクロズハロウィン』
全員仮装🎃
17時開店/18時開演
21時閉店
※状況で変更有
出演
ドクロズ(Gむうとん、Drふぐちん)
bikke (ex.Lovejoy)
OA&MC 涌井慎
前売3,000円/当日3,500円 D別
⚡️配信有
問合→磔磔
geisya.or.jp/~takutaku/
#令和3年8月27日 #コラム #エッセイ #日記
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