令和4年の読書の記録 坂木司『何が困るかって』
だいぶ昔に読んだ坂木司さんの短編集を一回り以上年下の職場のスタッフに貸したところ、えらく気に入ったみたいで今度は読んだ本を貸してくれた。それがこちら。
18篇の短編収録。昔なんかのインタビューで奥田民生さんが「最近はみんないい曲ばかり作るからアルバムに捨て曲がない。もっと捨て曲を作れ」というようなことを言っており、実際ベストアルバムじゃないんだからその手の「捨て曲」があるほうがアルバム全体の深みは増すんじゃないかと思うわけですが、坂木司さんの短編集にはそういう良さがある気がしています。ある人のツボにはまる短編がある人にとっては捨て作でその逆もあってっていうところが美味しいんじゃないかと思います。
ほのぼの系のお話も好きですが、私は救いようのないクズや悪趣味極まりない困った遊びに興じる人が出てくるような、後味の悪い話が好きです。