久々に新聞各紙俳壇歌壇チェック
久しぶりに新聞各紙の俳壇と歌壇をチェックできました。自分が忙しいなんて思ってないけど毎週、各紙の俳壇と歌壇をチェックするくらいのことがしばらくできていなかったのは忙しかったということなのか、それとも俳句と短歌への興味が薄れていたのか。
9月30日 読売俳壇
●投稿の葉書も値上げされる秋
年賀状をやめると言っている人も多いらしい。葉書で俳句を投稿している人たちにとっては痛い値上げです。
●秋なすび姑の遺影はいつも笑む
秋なすは嫁に食わすなでしたっけ。
遺影「は」というところに怨念を感じる。
●蓑虫や覗いてみれば皆笑顔
こっちも微笑んでしまう微笑ましい一句。
●ご褒美のビールのための一万歩
最近ウォーキングしておりますゆえ、親近感。
まあ、私は呑まないですけど。今日で禁酒5日めです。
9月30日 読売歌壇
●乳がんの手術日言えば大工さん「我が誕生日ゆえ成功します」と
高倉健的職人気質なおじさんが秘かに思い寄せるご婦人へ思い切って伝えてみた恋心もある気がしたな。
●病室のイヤホンで聴く八代亜紀リハビリ前の大事な時間
その八代亜紀がリハビリへ向かう心を準備させてくれる。
●口裏を合わせて辞めたバイトの子みたいに五本の茗荷が枯れる
この手の例えが私は好きだ。
●亡き母の日記読むときしみじみと母の娘で良かったと思ふ
私も死んだ後このnoteを読んだ息子たちにそう思われたい。
9月30日 毎日俳壇
●終戦日太平洋へ水一杯
●終戦日終日妻と過しけり
終戦日を詠んだ句が二句ありました。
何か「この日ばかりは」と思わせる日であり続けてほしいと思う。私が死んだ後の息子たちにとっても。
●ひぐらしや書棚に戻すプルースト
プルーストなんて書棚にあるだけでもたいしたものだと思う。
●子の姿なく始まりぬ地蔵盆
始まったら子らで賑わうのであればよいですが、もう子どもたちは地蔵盆なんかには集まらず家でゲームとYouTubeというのであれば悲しい。
9月30日 毎日歌壇
●なつ雲の底はほのかに翳りゐて潔白でないわたしの体
なつ雲の翳りと潔白でないわたしの体。
最後の文字だけ「雲」「体」と漢字になっているのも翳りと潔白でなさをあらわしているんでしょうか。そんなことはないのでしょうか。
●必要な会話を終えて会場の半島のような場所ですごした
婚活パーティーか何かですかね。この場所で意気投合できる相手がいたら最高ですが。
●助手席が定位置なれどときどきはアクセルペダル強く踏みたし
運転下手くそなんやろなー。
●約束の海ではないが駅前でポテトのLを二人でつまむ
このくらいの日常で愛を育んでいくのが素敵やと思う。
10月3日 産経俳壇
●親真似て子は育つなり夏休み
真似てほしかったりほしくなかったり。
●少しずつ自我の消えゆく盆踊
一種のトランス状態に陥るあの快楽。昔、盆踊りはディスコやクラブのようであった。
10月3日 産経歌壇
●白髪の主人は深く頭垂れ三十円の値上げを詫びる
こういうお店は応援したくなる。こういう人に私もなりたい。
●月いちの友とのランチ満ち足りて杖を忘れて歩き出してる
そのうちスキップし出すかもしれない。
帰宅してから落ちてしまわないか心配です。
10月5日 日経俳壇
●娘より無用の電話十七夜
無用と言いながら嬉しいと思ってるようでかわいらしい。
●君を待つ枝豆茹ですぎぬように
火加減も気になるしいつ君が来るかも気になるし全然時間が経ってくれない。好きです。
10月5日 日経歌壇
●あをあをと海に神ありあをあをと山に神あり対馬まほろば
これはもう、とにかく対馬に行きたくなりました。
●ゴリという感触がやだ蓮根と一緒に噛んだ頬の内側
蓮根と一緒でなくともあれは確かにゴリって音がしますよね。最近やってないですが、しばらく口内が鉄っぽくて嫌な感じになるんですよね。嫌いです。
10月6日 朝日俳壇
●捨て難き書をまた戻す夜長かな
簡単に断捨離とか言う人より信頼できる。
●高温の地球を嘆き蚯蚓鳴く
●いちにちの果の夜風に蚯蚓鳴く
蚯蚓鳴くが二句ありました。
いろんなことに鳴いてる蚯蚓のようでありたいと思います。弱い場所から強い場所に立ち向かっていたい。
●年よりの年よりの日の句会かな
楽しい句会なんでしょうね。
10月6日 朝日歌壇
●一日に三万人に見つめられそれでも微笑むモナリザあわれ
絵でよかったですよね。
●美容師は鏡の中の人の目を見て話しかけるここの国でも
fromオランダ。へえ!っていう一句。
●日本語で思い出せない単語など英語で誤魔化す その逆もする
こうやって二カ国語を渡り歩く人になりたい。私の憧れ。
●いつかっていつのことって聞けないな忙しいってわかってるから
私は残念ながらその謙虚さは相手に伝わらないと思う。好きならばもっと強引に思いを伝えねばならないときもあると思うぞ!
というわけで。
今日からまた俳句と短歌に向き合いたいと思います。
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