読書の記録 安倍公房『(霊媒の話より)題未定』

1948年、24歳で文壇デビューした安倍公房さん。デビュー前後の生前未発表、未再録短編を集めた作品集です。若い頃に書いたもんなんやーと思ったらそのように読めるし、なんか頭おかしいなこの人って感じにも読めるし、わかりたいと思う反面、わからなくていいよな〜・・・っていう自己弁護を経てのわからないほうが健全だという極端な発想へ誘われるような作品集でした。面白い！と胸を張って言えるほど理解できませんでしたが、かといって面白くないことはなく、不思議ともう一回読みたくなる一冊です。たぶん、安倍公房のなかでも、難解だったり駄作だったりするものの集合体なんだと思う。いつか再び読み返すとき、わかることが増えていればいい。でもおそらく、その時にはわからないことも増えていそうな気がする。なんにせよ、なんか腹の立つ作品群です。

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