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表千家北山会館の特別展

 表千家北山会館の特別展『家元に伝わる茶の道具(五)表千家歴代ゆかりの茶碗、服紗』を見てきました。
 茶道のことなど何一つわからず、正直なところ「ちゃどう」なのか「さどう」なのかさえ、よくわかっていないため、こんな人間が見てよい展覧会なのか、ドレスコードがあるのではないか、あるいは人間性コードのようなものがあるのではないか、だとして、それをどのように測るのか、余計なことばかり考えながら入館しました。
 楽焼き茶碗の楽家が作った黒楽茶碗、白楽茶碗、赤楽茶碗その他いろいろの茶碗、千利休の時代から現代に至るまでの逸品揃い。千利休といえば豊臣秀吉の時代の人ですから、三百年以上前ですよね。そんな昔の茶碗が欠けたりひび割れたり薄汚れたりせず、見事にテカっておる様に慄いてしまいました。この茶碗で飲むお茶は、どんなお茶がふさわしいのかといえば、やっぱりペットボトルの「おーいお茶」ではダメなわけで、気やすく「おーい」などと呼べないお茶でなければならない。一碗ごとに詳細な解説が書かれてあり、年表なども張られていましたが、そっちばっかり読んでると、肝心の茶碗を疲れてちゃんと見られないような気がして途中からは茶碗だけじっくり眺めました。

 展示を鑑賞し終えると、ロビーにてお茶をいただける呈茶券なるものをいただいていたので、せっかくなのでいただくことにしたのですが、窓際の椅子に腰掛けると直射する西日が眩しい。もうお菓子が出てきたため、席を移動するわけにもいかず、果たしてこの環境、茶をいただくのに適しているのか、と考えているうち、茶が出され、このお茶とお菓子をどのようにいただくのが作法として正解なのか、答えがわからず、持ってきてくださったスタッフさんがどこかへ行っている隙にこっそりいただきました。もう少し、お茶のことを知っていれば、もう少し、ちゃんと楽しめたであろうに残念なことになってしまいました。

蠱惑暇
こわくいとま

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