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10月28日週の新聞俳壇歌壇チェック

新聞俳壇新聞歌壇は各紙ごとに掲載される曜日が決まっていて、読売新聞と毎日新聞は月曜日で月曜日が休刊日の場合はその翌日の火曜日、産経新聞は木曜日、日経新聞は土曜日、朝日新聞は日曜日に掲載されます。地方紙だと京都新聞は月曜日だったと思います。
 ただ、10月28日週は27日の衆議院選挙の影響なんだと思いますが、いつもと掲載スケジュールが異なり戸惑いました。平日の帯番組のDJが休み、別の曜日担当のDJが代わりに喋ることになったときの戸惑いに似ている気がしました。

いつもは月曜日掲載のはずの毎日新聞の俳壇歌壇は前倒しで10月27日の朝刊に掲載されていました。

●10月27日の毎日俳壇
⭐︎秋日落つ一行の詩の成らぬ間に
暮れやすい秋の日のことは「つるべ落とし」といいますが、この「つるべ落とし」を使わずにそれを表現しているところに巧さがあります。

⭐︎治療法二つに一つの選択に医師は微笑む正解のごとく
どっちでもいいは本当はどっちでもよくなくて正解があるのです。治療法みたいな大事の「どっちでもいい」に隠された正解があるのはつらい。ちゃんと正解のほうをはっきり伝えてほしい。

普段月曜日に掲載されるはずの読売新聞の俳壇歌壇は二日後の水曜日掲載でした。

●10月30日の読売俳壇
⭐︎長き夜と夜をつないで長電話
何をそんなにというくらいずっと電話で話すのはそれが青春だからなのです。その最中は長き夜を長いとも思わず、過ぎ去ってしまった今になり、あの時間を「何をそんなに」というほどに長く長く感じてしまう。

●10月30日の読売歌壇
⭐︎並んでは歩かぬ父がふり返りふり返り母を確かめていき
そんなに気になるなら一緒に並んで歩けばいいのに照れてしまうのは父がまだ母に恋をしているからなのでしょうか。ヨシ江さんの前になるとカラダがカチカチになるテツのことを思い出してしまいました。

木曜日の産経新聞以降はスケジュール通り。

●10月31日の産経俳壇
⭐︎絹漉しも木綿もよろし新豆腐
お米みたいに豆腐にも「新」があるんですね。知りませんでしたが、やっぱり瑞々しく張りのある濃厚な味のお豆腐なんでしょう。これを読んでからむしょうに豆腐が食べたくて仕方ないです。

●10月31日の産経歌壇
⭐︎ただいまと言う人がいておかえりと言うときに出るわたしの温度
これはおそらく俵万智さんの「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさから派生してますよね。こうやって「元ネタ」がわかるとき、うれしくなります。

●11月2日の日経俳壇
⭐︎新涼や蓮根厚くはさみ揚げ
新涼の爽快感とサクサクの蓮根の歯応えがリンクしていていいですね。さっきの新豆腐の一句と同じで蓮根が食べたくてたまらなくなりました。

●11月2日の日経歌壇
⭐︎「おばさん」ではない良い日本語がないものか呼びかけるときいつもためらう
気持ちはわかりますが「お姉さん」でいいんじゃないかとも思います。おばさんではない良い日本語があったとしても結局それがおばさんのことなんだったら同じなのではないかしら。

●11月3日の朝日俳壇
⭐︎梨剥けば呼ばずともくる家人たち 
みずみずしい梨にはそのくらいの魔力があります。新豆腐に蓮根のはさみ揚げ、最後は梨。秋が食欲の秋といわれる所以を感じた一週間でありました。

●11月3日の朝日歌壇
⭐︎「ママ明日休み?」と子らが聞く時に働く意味をふと考える
それでも働かなくては生きていけない。働くお母さんの姿をみて子どもたちも逞しく育っていくのです。

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