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山形の農業青年トシオの言葉

 新聞コラムを読むことを趣味にしております。本日の読売新聞『編集手帳』はジブリ映画『おもひでぽろぽろ』のあるセリフを取り上げていました。山形の農業青年トシオの言葉です。「大変、大変って言うけれど、一生懸命やってる仕事なら大変でない仕事なんてないでしょ?」

 私は映画を見ていないので今日の『編集手帳』の情報しかないんですが、トシオさんはサラリーマンから有機栽培農家に転じてやりがいを見つけたそうです。実に汗の匂いや爽やかさを感じる素晴らしいセリフですが、世の中はなかなか意地悪にできておりまして「一生懸命やってる仕事なら大変でない仕事なんてない」という無垢な気持ちで仕事に取り組む人たちの、その無垢さにつけ込む「やりがい搾取」というのを得意とする人ならびにそういった人の集合体も存在します。私は映画を見ていないのですが、トシオさんがサラリーマンとして勤めていた会社はひょっとしたらそういう会社だったのかもしれませんね。

 『編集手帳』がどうしてトシオさんのことを話題にしていたのかといえば、第一生命保険の「大人になったらなりたいもの」調査で、会社員が1位になったというニュースを受けてのものです。なんと男子は小学生中学生高校生すべての世代で「会社員」が制覇したそうです。三冠王です。これまでに会社員がなんらかのランキングで1位を独占したことなんぞあったでしょうか。女子においても中学生と高校生では会社員が1位だったらしい。

 しかし「会社員」ってめちゃくちゃ広いですよね。私のようなラジオ番組の制作をしている人間もフリーランスでなければ会社員。いっぽうラジオ局で働いておられる皆様も会社員ですし、なんらかの会社に所属してそこの構成員として働いている人間はみんな「会社員」なのだとしたら割と多くの人が会社員であるにも拘らず、これまで「会社員」が1位になることが無かったということが実はおかしいんじゃないかとも思えます。いちばん身近な職業のはずなのに身近すぎて全貌が見えない。

 昔アダルトビデオを見てめちゃくちゃ興奮してきたんです。興奮してるところ、カットが変わりまして、キレイで柔らかそうな白い肌が揺れているところがアップになり、私はその白肌を見て危うく果てそうになったのですが、その白肌が引きになったら男のほうのもち肌やったときのことを思い出しました。近すぎるとわからないんです。

 コロナ禍でテレワークが普及して自由な働き方への意識が高まったことで会社勤めが見直されたというのが会社員人気の理由らしいんですが、そのほかにも、テレワークによってお父さんお母さんら身近な大人がどういう仕事をしているのか?がわかったことで「悪くない」と思った子も多かったんじゃないかしら。もしも、そうなのだとしたら、日本の多くの会社員は、山形で農業を営むトシオさんみたいな気持ちで勤められているのでしょうね。

#令和4年3月18日  #コラム #日記 #エッセイ
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