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映画『エイブのキッチンストーリー』

ブルックリン生まれの少年エイブは
生涯付き合わねばならないであろう
ややこしさを抱えて生まれてきました。

お母さんがイスラエル系で
お父さんがパレスチナ系だというだけで
そのややこしさは
十分に伝わるでしょう。

かたやイスラム教徒の家系、
かたやユダヤ人家系。
エイブの呼び方も
イブラヒムだったりアブラハムだったり。

食卓をみんなで囲めば、
文化や宗教の違いのために、
ケンカばかりになってしまいます。

そんな家族たちを
料理が得意なエイブ君は、
世界各地の料理を掛け合わせた
フュージョン料理で
もてなそうとするのですが。

巨人ファンの父親と、
阪神ファンの母親をもつ息子程度なら
笑ってすませられるのでしょうが、
(それはそれで厳しそうですが)
お酒を飲んではいけないといわれたり、
なんでラマダンなんてやってるの?と
怒られたり、ややこしすぎて、
どっちがどっちか忘れてしまいましたが、
母方の教えと父方のしつけとが、
正反対なものですから、
振り回される息子は大変です。

本来なら、
どっちがどっちかややこしい、
なんていう感想を持ってしまうなんて、
どっちからも激しく
怒られることなんでしょうね。。

そのややこしさを
料理で解決しようとするところに、
私は美味しんぼを感じたのですが、
海原山岡の親子の確執なんぞは、
小さく小さく見えてしまう、
パレスチナ問題の申し子エイブなのでした。

食事のあとの洗い物の山が映され、
「人生は美しくなる前に
汚れてしまうものなのだ」
というようなナレーションが入ったところが
なんかすごくよかったです。

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