ホスト万葉集と言葉の軽さ
蝉の声を聞くたびに
目に浮かぶのは
九十九里浜ではなく、
椎名林檎です。
歌舞伎町のホストたちの詠んだ
短歌を集めた『ホスト万葉集』を
最近読みました。
ネタで読んでみたわけですが、
これがなかなかの秀作揃いで、
読みながら私は
笑っているつもりが
泣いておりました。
虚構の塊のような街で、
泡沫と現の狭間を生きる男たちも
生身の人間であるということを
忘れてはならないのです。
私のような女が、
ホストに騙されるのでしょう。
さて。
梅雨明けとともに
セミの鳴き声も
大きさを増したように思います。
振り返って今年は近畿地方、
梅雨明けしたとみられると
発表があったのが平年より10日、
去年より7日遅く、
1951年に統計を取り始めて以降、
3番目の遅さに並びました。
また、先月7月は
台風が一度も発生しませんでした。
1951年に始まった統計史上、
7月に台風が一度も
発生しなかったのは
統計史上初のことらしいです。
梅雨明けに関していいますと、
遅かったのには海面の水温の上昇も
影響しているそうです。
最近は新型コロナウイルスの情報に
隠れがちになっていますが、
本来、今年2020年は
気候変動対策や生物の多様性の
保全などに向けた
国際会議が多数予定されていました。
環境のスーパーイヤーと
いわれていましたが、
国際会議は相次いで延期・・
地球環境について考える機会が
失われてしまいました。
そのいっぽうで、
ウイルス感染拡大の防止のため、
世界中で人々が
外出を控えたことから、
空気や水がキレイになったという
報告もありますね。
何がどう転じてどうなるのか・・
というのはわからないものです。
何がどう転じてどうなるのか・・
わからないのが
面白さになっているのが
ミステリー。
7月29日の「茨城新聞」には
雷にまつわる
ミステリーが紹介されていました。
関東三雷神の一つ
金村別雷神社を
近くの農家のご主人が参拝した際、
このご主人は日頃から
何かと冗談を言っては
周りを笑わす方だったんですが、
雷神様へのお参りでも、
「おらの家に寄ってけよ。
熱いお茶の一杯でも
あげたいからよ」と言うと、
ある日のこと。
主人が畑仕事をしていると
空模様が急変しまして、
稲光に慌てて家の中に
逃げ込んだところ、
雷がすさまじい地響きと共に
家を直撃しまして、
ご主人は無事だったそうですが、
どういうわけか、落雷の後、
なぜか土間にあった
茶釜の蓋が消えていました。
蓋はその後、家から
離れた先の畑で
見つかったとのことです。
軽口をたたくだけで、
その言葉に責任を持たず、
デタラメを流布しても、
誤解したほうが悪いと
開き直るような人たちにも
罰が当たればいいのにと
思うこともありますが、
あの人たちも、
日々真摯に生きているのに
誤解しかされない
歌舞伎町のホストの皆さんの
短歌を読めば
何か変わるのでは
ないかとも思うのです。