読書の記録 野中広務・辛淑玉『差別と日本人』
野中広務さんと辛淑玉さんの対談。
2009年に出版されているのでもう10年以上前の対談なんですが、当時と比べて改善されていることってあるのでしょうか。むしろ悪くなっていることのほうが多い気がする。
差別問題に取り組み、戦後未処理問題についても解決に向けて奔走していた野中広務さんは、時に裏取引、談合など、世間的には「ずるい」「汚い」といわれる手段を用いてまでも、結果として弱者を救済できるような社会を築こうとしていました。ってこの本を読んで思っただけのことなので、もっと詳しい人は違う見方をするかもしれないし、立ち位置が変われば憎たらしくて仕方ないって人もいるんだと思いますけど。
それでも僕は「戦後未処理問題」の解決に向けて奮闘していた野中広務さんの、「この問題を解決していかなければいけないという責任感が国家にも政治家にもない。過去、自分たちが迷惑をかけたことを忘れて、国際貢献の名の下にソマリアに自衛隊を派遣したり、竹島問題や尖閣列島の問題が出たら、欲求不満を爆発させるかのようにワーッと騒ぐ。また、北朝鮮がミサイル発射問題などで騒ぎを起こすとたちまち、戦争ごっこみたいに自衛隊の軍備を拡大しようとする声があがる。街では非正規雇用の人たちが餓死寸前になっているというのに、そういうところには気前よく税金を投入する。政治家の目はどこを向いているのかと言いたくなる。弱者や虐げられた人に対する政治家の「鈍さ」は、差別と根っこでつながっていると思うのだ。」という言葉に心打たれたんです。今は鈍い政治家が多すぎる気がする。こういう言葉を政治家の方から聞きたい。
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