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読書の記録 星新一『ノックの音が』

 収録作品15編すべて「ノックの音がした。」という文章から物語が始まる短編集。誰に聞いたかも忘れたし、その誰かが、どこから仕入れた情報かもわからないんですが、スピッツの草野マサムネは、いかに同じコード進行で違う曲を作るか、ということに心を砕いていると聞いたことがありますが、読みながら、そのいろいろ曖昧なエピソードを思い出しました。何かと縛りがあるほうが想像力が広がるということはあるのかもしれません。あとがきで星新一自身が書いてますが、「ノックはブザーに比べて、よくも悪くも人間的ななにかがある。たたき方によって、訪問者の見当がつけられる。ブザーだと、電線なるものが中間にあって、人間性がうすれてしまう。」その人間性ゆえ、15編の短編が紡がれ得たのでしょう。平易でわかりやすい、そのうえワクワクさせるから、子供が読書の面白さに触れるのにちょうどいいと思うんですけど、なかなか、読んでくれないんだな。僕が読んだのも40歳すぎてからなんやから仕方ないか。

#令和4年読書の記録
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