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1人目の客になれた話 烏丸綾小路編

 趣味はオープンしたお店の1人目の客になることです。室町蛸薬師西入ルにオープンした第一旭の1人目の客になれなかったのはご存じの通り。知らない人は一個前の私の投稿をご覧ください。三人組の好青年たちに阻まれてしまいました。

 どうせたかが趣味なんだから無理することなく永く続けていきたいという思いから1時間以上は待たないと決めたのは、サザンオールスターズ が体のことを考えて夏フェスを卒業したのと同じ感覚です。いや、向こうは仕事ですけど。

 そうやって知人に話してみたところ、「1時間前でも充分早いですけどね」と言われてしまいました。どうやら私は感覚がバグってしまっているらしい。
 バグった感覚を「バグっているんだ」と自覚するためにはこうしてバグっていない人にガチで指摘してもらうしかありません。ちゃんと言ってくれる人がいるからこそ、私は自分がバグっていることを自覚できるのです。

 あなたの身の回りにもおられませんか?うわー、バグってんなーっていう人。あの人たちがどうしてバグったままなのかといえば、誰もそれを指摘することがないからです。立場のある人にはなかなか「君、バグってるで」とはいえないものです。そんなところからも、私は立場のない人間でよかったと思います。だからといって私は1時間待つことをやめないわけなんですが。こうやって言うことを聞かないでい続けるとそのうち立場がない私も誰からも何も言われなくなってしまう。

 第一旭の1人目の客になろうがなるまいが、今日はもう一軒、午前11時に烏丸綾小路下ルにオープンするつけ麺専門店の1人目の客も狙うと決めておりました。
 午前8時に第一旭のラーメンを食った3時間後につけ麺を食うつもりなんだからまだまだ若いね。気力が漲っておる。一般的に気力が漲っている人はオープン1時間前に並んだりはしないんですが、まあ、規格外といってしまえばそれまでなのであります。
 昨日テレビでものすごい賢い方法で特殊詐欺に手を染めている人たちのことを特集しており、「あんなに賢いなら普通に仕事すればいいのにね」って思っておりましたが、私だってこんなに漲っているのならもっと仕事をすればよいのであります。(誤解のないように念のため書いておきますが、それなりに仕事も頑張っております)

 こちらのお店もフライヤーを見てみると、「お待たせしました!京都府初出店」と書いてあるので他府県で人気を博しているお店のようです。「ようです」なんて書いてる人が1人目の客になったらいけないんでしょうね、本当は。

 と、ここまでお店の前に到着してから書いておりまして、いま、ふと後ろを振り向いてみたら私より年上とみられるお兄様が私の後ろに待機しておりました。すごい。まったく気が付かなかった。正直なところ、気づかないままにこんなにすぐ後ろに立たれるのは初めてのことかもしれません。何かしら武術をやってらっしゃる方なのかもしれない。いずれにせよ、この人もたぶん何かがバグっている。

 こちらのお店は三日前と二日前にプレオープンを実施しており、その二日間は麺類を半額で提供しておられました。このため、プレオープン時には長蛇の列ができていたと聞いておりましたので、そうであるならグランドオープンの際にはライバルは減っているのではあるまいか、と予想しておりました。
 とはいえ、同じくしばらくの間プレオープンを実施していた第一旭にも早朝から並んでいる若者が三人おりましたので、どうなることかと不安も抱きながら1時間前に到着し、無事、誰も並んでいない状況であるわけなのですが、気配を殺して立っているこの後ろのおじさんが果たして何時何分頃から並んでいたのか。それによっては実は私は薄氷を踏む勝利だったのかもしれません。

 オープン五分前。かなり長蛇の列ができております。外国人がやってきてお店の人に「eleven?」と聞いてきました。それを聞いてお店の人は別のスタッフさんに「英語できる?なんか11人で来るって言ってるみたいなんだけど」とおっしゃるので、余計なお世話ながら「いえい、たぶん11時オープンですか、と聞いておられるんだと思いますよ」と伝えました。英語の学習を続けていてよかったです。

 令和6年9月27日、午前11時にオープンしたつけ麺専門店「三田製麺所」の1人目の客は私です。

 前に同じ場所にオープンした立ち飲み屋さんはすぐに無くなってしまったので今回は永く愛されるお店でいてほしいです。

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三田製麺所のYouTubeチャンネルの
インタビューも受けたぞ!!

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