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耐震性能を施主にゆだねるな!
建物の耐震性能など、基本となる性能はプロが高いレベルで決めるべきです。
建築基準法の最低基準である耐震等級1の要求性能を理解し、
熊本地震の被害調査から耐震等級3の耐震性能を知っていれば、
耐震等級3以外の選択肢はなくなります。
しかし、
建築士や建築業者の多くは、建物の耐震性能という重要な部分を「施主」に委ねています。
プロである自分たちで耐震性能を決めることなく、
建築の素人である「施主」に耐震性能を決めさせます。
施主に決めさせることは、耐震に関する責任転嫁をしているとも言えます。
耐震性能を施主に委ねる建築士や建築業者は、
「無知」である場合があります。
耐震性能を詳しく知らないのです。
建築基準法が最低基準であることを言葉としては知っていても、
その最低基準である耐震等級1の要求性能まで知らないのです。
耐震等級1は、
震度5強程度の地震では耐震性能が損傷しないため「住み続ける性能」があります。
しかし、
震度6強から7程度の大地震では、耐震性能は損傷し、
一度だけ「倒壊・崩壊しない性能」です。
言い換えれば、
命を守るけど住み続ける耐震性能はないということです。
この事実を知っていれば、
耐震等級1が十分な性能とは言えないはずです。
それに比べ、耐震等級3は、
熊本地震で震度7が2度発生した益城町において、
全棟(16棟)耐震性能が損傷せず住み続ける性能が確認できました。
この事実を知っていれば、
耐震等級3を選択するはずです。
残念ながら、建築士、建築業者が無知の場合、
耐震等級1、耐震等級3の耐震性能を知らないため、
建築基準法通り(耐震等級1)で十分を思い込み、
耐震等級1の木造住宅をつくり続けます。
無知の場合は、耐震性能を施主に委ねるというよりは、
耐震等級1を標準として勧めている状況です。
ぜひとも、プロであるならば、ぜひとも学んでください。
問題なのは、
耐震等級1、耐震等級3の耐震性能を知っているのに施主に委ねる状況です。
「耐震等級3が良いのはわかっているが、耐震性能を決めるのはお施主様」とか、
「耐震性能は予算で決めるべき」、「耐震等級3は間取りの制約が・・・」など、
それらしい言い訳を言い出します。どこまで責任感がないのか。
車を買うときに、安全性能や省エネ性能に選択肢はないですよね。
エアバッグを取り付けるか取り付けないか、
取り付けるならばどのくらいの数量にするのか、
燃費の良い車と燃費の悪い車があるなど、
性能を施主に委ねることはありません。
車をつくるプロが、プロの責任のもと、
今考えられる最も安全と思う車、
最も省エネと思う車を提供してくれます。
だから安心して車に乗れるはずです。
人の命と財産を守る住宅の耐震性能は、
高いレベルでプロが決めましょう。