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理学療法の歴史から見る日本の問題点

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回は

理学療法の発展

について話していきたいと思います。

日本の理学療法は世界に比べて発展が遅れている

と巷では言われていますが

これはなぜでしょうか。

理学療法の発展の歴史と絡めて

私の見解を話していきたいと思いますので

よろしくお願いします。

それでは始めます。


理学療法の発展の歴史

日本の理学療法に限らず

世界から見ても

理学療法はいまだに発展途上であり

現代でも新たな概念や手技が生み出されています。

20世紀において理学療法発展の歴史は

3期に分けられます。

この3期は、それぞれがある体系を主にした治療法がありました。



第1期:MMTとROM

この時期の理学療法は

戦争などによる末梢神経損傷や筋骨格障害が中心でした。

徒手筋力検査(MMT)などで神経因性、

または筋骨格因性の障害の重症度を評価することが中心で

理学療法の役割はその診断に関与していました。

筋の機能低下とそれに伴う運動障害は

比較的はっきりした関係にあることから

治療方針は決定されやすいものでした。

しかし筋力低下や関節可動域制限の関係は診断されたものの

ポリオなどの特に急性期の治療法は確立されていませんでした。

そのため、この時期の主な治療法は

装具を使用したり、ストレッチを行うなどして関節可動域を維持することでした。

回復期の患者については

回復しつつある筋群の筋力強化、

そして疾病に侵されなかった筋群の筋力増強運動も

重要な治療の1つでした。

MMTの結果に基づいて行われる運動療法なども

最適な治療として取り入れられていました。

それぞれの筋自体の働きなどを注意深く考え、

その筋の運動方向にできる限り正確にそった運動が

効果的な治療とされていました。

第2期:神経生理学アプローチ

ポリオの根絶により、

脳卒中、頭部外傷、脊髄損傷、脳性麻痺患者が

理学療法の対象の中心となっていました。

これらの疾患は、

中枢神経疾患の機能不全に起因するため

それまでの筋骨格系に対して行ってきた

理学療法では通用しなくなっていました。

この時期、中枢神経系独自の病態生理についてはまだ理解が不十分であり

ポリオ患者に行ってきたストレッチや筋力強化などは

中枢神経障害に対して痙縮を増加させると考えられたため

禁忌となっていました。

さらに痙縮の影響により、

MMTでは中枢神経障害の患者を正確に評価できない

と考えられていました。

中枢神経障害のメカニズムについては明らかになっていなかったため

それぞれの臨床家が独自の経験をもとにして

治療法を編み出していきました。

このようなことをきっかけに

神経系統の調節能力が運動機能にとって不可欠であることが

明白になりました。



第3期:関節モビライゼーション

1980年代、理学療法士は

オーストラリアやニュージーランドの理学療法の影響を受けて

筋骨格系疼痛のある患者の治療法として

関節機能に着目した評価・診断・治療をおこなう方法が

注目され始めました。

これは関節の副運動とそれに伴う痛みによって評価するのですが

今まで行われていたような物理療法で炎症を抑制したり

一般的な運動療法で問題のある部位の筋力強化を行う

などとは違ったものでした。

ほとんどの中枢神経疾患に関する処方は

理学療法評価・治療といった内容であったが

筋骨格系疾患の痛みに対する処方はより具体的な内容が多くありました。

そのため、物理療法や運動療法を主体とした理学療法のかかわりから

関節を検査・評価して痛みの原因を突き止めるようになったのは

理学療法士にとって大きな変化でした。

第4期(現代):運動制御・運動学習

1990年代になって

筋骨格系疼痛の患者は理学療法の対象の中で

最も大きな集団となりました。

ここで注目されはじめたのは

運動系(運動パターン)に着目した運動療法です。

ここでMSIやヤンダアプローチ、バリスアプローチなどが

誕生し、筋力や関節といった機能のみではなく

運動系に対するアプローチが発展してきているのです。

最近聞くようになった

モーターコントロール

という言葉も理学療法の変遷が影響しているといえます。


日本の教育の問題

このような歴史からもわかるとおり

機能制限に対する筋力強化やROMは

いわゆる時代遅れです。

それにも関わらず

養成校ではこのような治療法を基に

プログラムを構成させたり問題点の抽出をさせたりしている

のが現状です。

日本の理学療法が問題ではなく

教育体制に欠陥があるといっていいと思います。

このような教育から

発展したものに変わらなければならないと思います。





本日はこれで以上です。

私の記事ではしつこいレベルで

言っている話ではありますが

学生レポートのようなやり方の理学療法では

通用しません、

肝に銘じておきましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございました。



参考文献

Shirley A. Sahrmann 監訳 竹井仁 鈴木勝 運動器機能障害症候群のマネジメントー理学療法評価・MSIアプローチ・ADL指導- 医歯薬出版株式会社 2021


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