【ゲームソフト紹介】ぼくのなつやすみ(PS1)
PS1の名作ソフト『ぼくのなつやすみ』(通称:ぼくなつ)を紹介します。2000年、ソニー・コンピュータエンタテインメントからPS1で発売。開発はミレニアムキッチン。キャラクターデザインに上田三根子氏を起用。「キレイキレイ」のイラストで有名です。
2006年にはPSPでリメイクされました。
【ゲームの概要】
時は1975年。母親が臨月を迎えたため、夏休みの1か月間、主人公の少年「ボク」は親戚の家へ預けられます。そこは「月夜野」(つきよの)という、山や森に囲まれた自然豊かな地域でした。都会から訪れた「ボク」は親戚や地元の子どもたちと交流しながら夏休みを楽しんでいきます。
昆虫採集、魚釣り、凧上げなど子どもの頃の懐かしい遊びを体験することができます。
「月夜野」という地名は、群馬県みなかみ町(旧月夜野町)および山梨県道志村に実在します。クリエイターの綾部和 氏は道志村を訪れ、ゲーム内のすべての環境音を実際の現場で収録したそうです。かなり力が入っていますね。
ゲーム内ではセミの鳴き声が聞こえ、非常に臨場感があります。
「ボク」くんの1日はラジオ体操から始まり、ごはんを食べた後は夕食まで自由時間。朝顔に水をやるもよし、魚釣りをするのもよし、昆虫採集するもよし、ひたすら遠くまで行ってみるもよし。何をしても自由です。
夏休み半分の15日くらいが経過すると退屈になりがちですが、そうした子どもの頃の
「無限に続くかのように見える夏休み」
の時間を表現できています。
蜂の巣をつついたり、木を切り倒したりして道を切り開き、行動範囲を広げることができます。マップは決して広大無辺とは言えませんが、端から端まで移動すると大冒険をしたような気分になれます。
子どもの頃の憧れ「秘密基地」やちょっと怖い場所など、子ども時代特有のできごとを体験できます。
モータリゼーションの進行で次々に失われていった自然風景。子どもの頃は毎日が楽しかったはずなのに、いつの間にかつまらない人生を送るようになってしまった自分。ゲームの中とはいえ、そこには貧しくとも豊かだったはずの失われた時間と空間があります。
キャッチコピーは
「大人になってしまったあなたに・・・」
ですが、まさにその通りの作品。
現代都市文明の世界に息苦しさを覚えた方は本作を遊んでみてください。そこには懐かしい時間と空間があります。
現実の田舎暮らしに憧れる都会人もいるかと思いますが、地域によっては閉鎖的だったり、過干渉だったりして居心地が悪いです。
田舎の人は優しい、とイメージする人もいるかもしれませんが、陰湿・保守的・排他的な人も結構いますし、考え方が時代遅れな人も多いです。都市と違って多様な人々の交流が少なく、一部の長老が権力を握っていて、新しい風が吹かないことも多いのではないかと思います。
筆者も短期間ながら田舎暮らしを体験しましたが、決して居心地の良いものではありませんでした。もちろん、治安が良いとか自然が豊かとかメリットもありますが、都市の利便性を捨ててまで住みたいか、と聞かれると首肯くことはできないですね。
しかし、本作では基本的に田舎暮らしの「良いとこ取り」ができるので、そうした陰湿な人も出てきません。いろんな人が出てきますが、基本的にみんな根は善人です。嫌な思いをすることも限りなく少ないと思います。
なにしろ、キャライラストが「キレイキレイ」と同じですからね。あんな優しそうな顔して性格が陰湿だったらトラウマになりますよww
そこはご安心を!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。