【短編小説】生き急ぐ貴方へ
窓の外は、まだ日が昇っておらず、暗いまま。
先ほど、顔を洗ったというのに、すっきりと目が覚めない。
毎朝読む本は、前日の夜に決めている。
このところ、読書のスピードも遅いように思う。せっかく頭が働きやすい朝を選んでいるのに、なぜだろうか。
欠伸を噛み殺しながらも、メモを取りながら、読んでいると、テーブルの上に置かれたスマホが絶え間なく、振動する。どうせ、仕事に関するメッセージの類だろうが、こんな早朝に返事を欲しがる人はいない。さらに、毎日メッセージを確認する時間は決めてい