【短編小説】私達が別れたのは、当然の帰結だった。
食卓に並べられた夕飯を見て、夫である透は、その瞳を輝かせる。今日はパートが休みだったから、普段よりは手が掛けられた夕飯だ。パートの日は、帰りがけに買ったスーパーの総菜が並ぶことも多いが、彼はそれに文句を言うことはないし、いつもありがたがって食べてくれる。
透と私は、5つ、歳が離れている。私は大学を卒業し、地元に帰って就職したが、職場での折り合いが悪く、1年ほどでその職場を辞めてしまった。正社員での職がなかなか見つからず、仕方なく、ロードサイドに面したチェーン店でもある本屋で