【短編小説】気づかれないようにしてるけど愛してる。
遼生がスマホに目を向けながら、「木曜日、休みとったから。」と言った。その言葉に私は、洗い物から視線を上げて、彼の方を見たが、私に背を向けている彼は、もちろん気が付かない。
いつも、仕事バカの彼にしては、珍しいと思った。一応、私も休みを取ったほうがいいか聞いてはみたが、断られた。別に私と休みを過ごしたいわけでもないらしい。どこかに出かけるのかと聞いてみても、曖昧にはぐらかされた。
もしや、浮気でもしているんじゃないかと、疑念が浮かんだが、それなら休みを取ると私に言わなければ