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速報!終身雇用崩壊は農業にチャンス!
こんにちは、アグリビジネスパートナーの高津佐(こうつさ)です。
さて、先日下記のような報道がされました。
とうとうトヨタの豊田社長が「終身雇用の継続が難しい」と発言しました。
さらに、記事中には経団連の中西宏明会長も「終身雇用なんてもう守れないと思っている」と発言しているとあります。
この記事を深掘りしたいと思います。
日本の正社員雇用において、終身雇用は長い間維持されてきました。多くのサラリーマンは新卒で入社すれば、定年まで勤められると考えていると思いますし、経営者は様々な法的制約の中で、終身雇用を維持せざる得ませんでした。
しかし、この終身雇用が崩れるとなると日本における雇用形態が一気に変わることが予想されます。このことは、農業経営者の未来にどう影響を与えるのでしょうか。
新卒の一括採用も崩壊!?
本題の前に、終身雇用が終焉すると新卒の一括採用にも変化が現れるでしょう。これまでは、終身雇用を前提として新卒採用を行い、数年かけて会社で教育して戦力にしてきました。入社数年は比較的安い給料で働き、一定年数を超えたところで給料のベースアップが高くなり、定年間近になるとベースアップが少なくなる代わりに、それなりの額の退職金が用意されます。
しかし、終身雇用の終焉に伴い、このような給与体系が崩れてくるでしょう。そして、雇用の流動化が激しくなると、企業にとって新卒の一括採用がどこまでメリットがあるのか。新卒採用しても数年で退職される可能性もある訳ですから。
終身雇用の終焉と新卒の一括採用の継続はキーワードになりますね。
農家の雇用はどうなる!?
さて、話を農業経営を中心にしましょう。正社員を雇用している大型農家や農業生産法人の中で、終身雇用が出来ているところは少ないのではないでしょうか。農家に就職する方のほとんどは将来独立して自分で農業をしたいと考えているでしょう。そもそも終身雇用を前提として農家に就職していない。そのことが、農家に安定した人材がいないことにも繋がっていました。
しかし、社会全体が終身雇用でなくなれば、自分のキャリアの中で農家で働くという選択をする人も増えると思います。
これは農家にとってチャンスです!!
終身雇用でなく、一定レベルの働き手を常に回転させて農業を行うことが今以上にやりやすくなります。
問題点は農業生産技術の継承
問題点を上げるとすれば、農業生産技術の継承をどう行うかでしょう。基本的に年に1作しか出来ず、毎年同じ環境でない農業生産は、能力とセンスがあっても一朝一夕に行くものではありません。
この問題は、AIやICT技術などのニューテクノロジーに頼ることと教育システムを構築することで解決するしかありません。
(ここにビジネスチャンスがあるなと記事を書きながら思います)
雇用することに自信がなければ家族経営を
農業経営者の中には、他人を雇用することが得意でない方もいると思います。そんな方は雇用をしない農業経営を目指しましょう。雇用してもパート従業員のみです。案外、家族経営が一番儲かる可能性もありますし。
自分の中で、正社員を雇用して規模拡大していくのか、家族経営で収益性を高めるのかの判断をする必要があります。
家族経営のデメリットは、繁忙期は休めないということ。メリットは、閑散期はしっかり休めるということです。
正社員を雇用して大規模化すると繁忙期も交代で休めるかもしれません。しかし、閑散期を作ってしまうと従業員への給与支払いが滞るので、閑散期もしっかりと仕事を作る必要があります(これが結構大変です)。従業員を休ませないために、何か作物を栽培しているという話はよく聞きます。
新しい時代の雇用体系に考え方をシフトしよう!
さて、これから雇用形態や給与体系がどのようにシフトしていくのか、現時点でははっきりとお答えすることが出来ません。
分かっているのは、
終身雇用が崩壊し、給与体系や新卒一括採用に変化がある
農業で働くことを選びやすくなり、農業に人が集まる可能性がある
ということでしょうか。
みなさんの農業経営をより良いものにしていくために今必要なことを考えてみました。
終身雇用を前提としない雇用の仕組みを作っておくこと
働きたくなる会社・職場環境を作ること
この人の下で働いてみたいと思う経営者になること
会社の魅力や経営者の魅力をSNSで発信すること
自分で書いて思いますが、抽象的ですね。具体的な内容は、農業経営の規模や形態、経営者が何を思って農業経営をしているのか、などに大きく左右されます。つまり、どこかに答えがある訳でないということです。
注意して欲しいのは、既存の行政や社労士さんなどの今までの考え方のセミナーなどに惑わされないようにしてくださいね。
今回の内容は、さらに深掘りして今後も継続してお伝えしたいと思います。
それではまた
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