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儲かる農家はこっそり知ってる農家の利益の作り方

こんにちは。アグリビジネスパートナーの高津佐(こうつさ)です。

梅雨入りしたけど、雨が降らないなと思っていたらいきなり台風ですね。幸いそんなに大きくないですが、近年は局地的な大雨になるので、皆さん気を付けてください。

さて、今回は「儲かる農家はこっそり知ってる農家の利益の作り方」というテーマでお届けします。

すでに農業を始めている方だけでなく、新規就農を考えている方や有機農業に取り組まれている方、農業関連企業の方にもお読みいただきたい内容です。


利益は売上以上にはならない!!

まずは、利益は売上以上にはならないってことを再認識して欲しいですね。たぶん、当たり前過ぎてみんな忘れてしまってるんじゃないかと。

利益=売上ー経費

ですからね。
個人事業主の場合はここの「利益」が所得になります。
法人の場合は会社の利益が「利益」の部分で、事業主である社長の報酬は役員報酬として経費の中に含まれます。

売上が500万円で利益が500万円ってありえないですよね。
品目や販売方法にもよりますが、利益を500万円出そうと思ったら、1,500万円ぐらいの売上は必要です。(かなりざっくりですが)

さらに、残った利益から税金や社会保障費と引いて、借入金の返済をして、残りが自分の生活に当てられるお金になります。

売上の作り方を知ってますか?

さて、売上以上に利益が残ることはないので、売上を上げなければなりません。ここで、自分で値段をつけて高く売ればいいんじゃないの?とかいう話になりますよね。でも、本当にそれが正しいのでしょうか。

では、売上の作り方を説明します。

売上=出荷量×単価

これを見ると、農業って製造業なんですよね。
売上を最大化するには

・出荷量を最大化する
・単価を最大化する

この二つしかありません。

売上を最大化するために出荷量を最大化する方法

売上を最大化するための一つ目。出荷量を最大化する方法です。

出荷量=栽培面積×同一面積での収穫量(反収)

出荷量を最大化するためには

・栽培面積を最大化する
・同一面積での収穫量(反収)を最大化する

です。

栽培面積を最大化するためには、自分がどこまで栽培に時間をかけれるか、もしくは雇用を増やしていくかで判断が分かれます。
雇用を増やすと人件費がかかってきます。雇用を増やすタイミングは要注意です。そして、雇用を増やして、栽培面積を増やして利益を出すためには、「同一面積での収穫量(反収)」を増やさないと赤字になります。

同一面積での収穫量(反収)を最大化するためには、栽培技術が必要です。
栽培品目や栽培方法によっては、環境を制御する機器の導入も必要かもしれません。
この反収が低いままでは、製造業で言うところの「生産性が低い」状況なので、反収の改善以外をいくら行ってもうまくはいきません。

儲からない農家は同一面積での収穫量(反収)が低い

のです。

売上を最大化するために単価を最大化する方法

売上を最大化するための二つ目。単価を最大化する方法です。

単価を最大化する方法はいくらでもあります。自分で営業をして、高く売ればいいですからね。

市場出荷やJA出荷で単価を最大化する方法

まずは、市場出荷やJA出荷で単価を最大化する方法をお話しします。
JA出荷といってもJAが購入している訳ではなくて、JAを通して県外の市場、特に消費地である東京や大阪の市場に出荷することですので、市場出荷もJA出荷も本質は同じです。

市場出荷やJA出荷で単価を最大化する方法は

秀品率(A品率)を上げること

です。青果物では高値で取引される品質のものがあります。それをA品と言ったり、秀品と言ったりします。

儲からない農家さんは秀品率(A品率)が低い

のです。
例えば、儲かる農家さんは秀品率が95%で、儲からない農家さんは秀品率が70%しかないとか、もっと悪いとかあります。

出荷した青果物の平均単価が違ってくるので、利益に直結しますよね。

市場出荷やJA出荷ではない場合は?

市場出荷やJA出荷ではない場合を見てみましょう。

大きく分けて二つあります。

食品業者向けの契約栽培
スーパー等への直接出荷や消費者への直接販売

まず、食品加工業者向けの契約栽培について。

この取引は比較的近場に食品加工会社の工場がある場合に成り立ちます。
例えば、焼酎用のサツマイモだったり、漬物用大根だったり、ジュース用人参や冷凍野菜用の原料、カット野菜用の原料などです。
この取引は、数量と単価が決まっていますので、売上を計算できます。
単価について話していますので、単価の話をすると、一般の小売用から比べると単価は安いです。出荷経費が少ないからですね。また、大きく育てることができるために、収穫量が上がるからです。
単価UPのために個別に交渉することも可能でしょうが、周辺農家さんとほぼ同程度の取引になることがほとんどです。

次に、スーパー等への直接出荷や消費者への直接販売について。

この取引も大き分けて二つあります。

トマトなどの一般的な野菜を取り扱っているのか、なしやぶどうなどの果物を栽培しているのかです。

なしやぶどうなどの果物を栽培している場合は、観光農園などで固定のお客様を作りやすく、どんどん自分で単価を決めれます。味が良くて、お客様対応がしっかりしていれば、ファンがついて、単価も上げやすいでしょう。

一方のトマトなどの一般的な野菜はやはり差別化しずらいのが現状です。それでもトマトはまだましですが、それ以外の野菜などでは、スーパーなどとの直接取引も可能ですけで、ある程度相場に左右されます。

この直接販売で気をつけなければならないことは、単価も上がるけど経費も上がる可能性が大きいことです。

出荷運賃やDB代や発送料などなど小さい経費が積み上がりますので気をつけましょう。

直接販売をしたいなら、直接販売をしやすい品目を選びましょう!

自分で単価を決めることが儲かるコツか!?

さて、農業が儲からないのは自分で値段を決めることが出来ないからだと言われることもあります。これって本当でしょうか?

自分で単価を決めるということは、市場出荷やJA出荷をしないで、自分で営業して取引先を見つけて、単価交渉や納品交渉をして、出荷するということです。

この自分で営業することのデメリットがあります。

それは、営業に時間を取られて、栽培に時間を割けないということ。

つまり

・栽培面積が最大化出来ない
・栽培技術の向上が遅くなるので同一面積での収穫量(反収)が上がらない
・栽培技術の向上が遅くなるので秀品率が下がる

この三つのデメリットがあります。

自社の農場が仕組み化されて、栽培を任せる社員が入れば、営業に時間を取ってもいいでしょうが、就農してすぐにこの三つのデメリットがあると売上が最大化できない結果になります。

いくら営業がうまくいっても栽培した以上のものは販売できませんからね。

それに、長年農業をやっている方でもしっかり儲かっている方もいます。市場出荷やJA出荷でもです。
市場出荷やJA出荷では、同じ品質なら単価はほぼ同じです。だけど、儲かる農家とそうでない農家がいるのは、農家が儲かるのは単価だけではないことを示しています。

同じ面積で同じ品目ならほぼ経費は同じ

同一面積での収穫量を上げることと秀品率を上げることの大切さを話してきましたが、このことは利益率を高めるためにも必要です。
なぜなら、同じ面積で同じ品目、同じ栽培方法なら必要経費はほぼ同じです。

経費が同じなら、投下した経費に対して、より多くの収穫が出来たり、単価の高い秀品がたくさん収穫出来た方が利益は多くなりますよね。

この部分、とっても大事です。

まとめ

儲かる農家になるためには、まずは売上を最大化しましょう。

売上を最大化するためには

栽培面積を最大化し、同じ面積当たりの収穫量を最大化し、単価を最大化すること

です。

そのために、あなたの時間を使うことが最大の近道です。

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