【勝手に応援シリーズ】DQ World(ディーキューワールド) 〜デジタル知能指数をどう育てる?〜
今年度から小中学校で本格化しているGIGAスクール構想。学校現場の先生方は、デジタルに合わせた教材の作成や、児童・生徒がスムーズに使えるようにするための準備など、今までになかった準備に追われているはずです。
先生方にとって、このような準備に追われながら、便利なデジタル機器の機能を「どこまで子どもたちに解放し、どこまでを制限するか」ということを決め、さらに「デジタル機器を使う際のルール」を子どもたちに示し、「デジタルリテラシー教育をどのように行っていくか」ということを決めることは大変な負荷となっているはずです。
しかし筆者は、これらを全て先生方が考えて対応しなくても良い事項だと考えています。
実は、既に国際シンクタンクである「DQ Institute」がデジタルリテラシースキルを定義したDQ(デジタル知能指数)を示し、それを測定するテストやトレーニングができるシステムを用意してくれているからです。
今回は、IQ(知能指数)、EQ(心の知能指数)につぐスキルとしてのDQ(デジタル知能指数)と、子どもたちがデジタルの脅威に適切に対処するための力を身につけることをサポートするDQ World(ディーキューワールド)をご紹介することで先生方の負担が少しでも減ればと考えています。
DQ Worldは、既に、デジタル機器をいち早く導入した埼玉県戸田市の一部の公立小学校や、私立小学校でも導入されており(導入事例)、2020年度には経済産業省が実施したEdTech補助金事業にも採択されたり、DQ Instituteの日本のパートナー企業である株式会社サイバーフェリックス(代表:石山 将)によって日本語対応がされたりするなど、日本の児童生徒でも安価で活用しやすいサービスとなってきています。
1.DQ(デジタル知能指数)とは何か?
DQは、デジタルインテリジェンスの略で、個々人がデジタルを活用した生活を安全で快適に過ごすために必要とする技術的・精神的・社会的精神的なスキルの総称です。簡単に言えば、「便利なデジタル機器やインターネットなどの技術を適切に使いこなしていけるスキルを持っているかどうかの指標」ということになります。
DQには3つの段階があります。
この中の第1段階(デジタルシティズンシップ)のスキルを小学校時代に身につけることで、子どもたちがデジタルに対する適切な知識を持って、デジタル社会で生きていくための素養や知識を身につけることができるようになるわけです。
▼デジタルシティズンシップ
デジタル社会に参画する態度を身につける段階。
例)スクリーンタイム、サイバーセキュリティなどへの理解
▼デジタルクリエイティビティ
実際にテクノロジーを使いアイディアを形にしていく段階。
例)プログラミング など
▼デジタルコンペティティブネス
デジタルクリエイティビティで培ったスキルをいかしてグローバルな課題を解決していく段階。
例)遠隔医療、スマートシティなど
2.デジタルシティズンシップ8つのスキル
DQスキルの3つのステップの第1段階としてご紹介したデジタルシティズンシップは8つのスキルで定義されています。
▼スクリーンタイムの扱い
画面を見ている時間や並行作業、オンラインゲームやソーシャルメディアを、自制心を持って管理する能力
▼プライバシーの扱い
自身や他人のプライバシーを守るために、オンラインに共有される全ての個人情報を分別を持って管理する能力
▼批判的思考
オンラインにて、情報が真実か虚偽か、コンテンツが無害か有害か、人とのつながりが信頼できるものか怪しいものか、区別する能力
▼デジタルでの足跡
デジタル世界の性質やそれらの現実世界での帰結を理解し、責任を持ってそれらを管理する能力
▼デジタルでの共感
オンラインにて、自他のニーズや感情に対して、共感を示す能力
▼サイバーセキュリティの扱い
強力なパスワードを使うことで自身のデータを守り、様々なサイバー攻撃を管理する能力
▼ネットいじめの扱い
ネットいじめの状況を検知し、それらに賢く対処する能力
▼デジタル市民のアイデンティティ
オンラインとオフラインにて、健全なアイデンティティを誠実に構築・管理する能力
(参考:「子どものうちから世界基準のデジタルスキルを身につけよう!DQ(デジタル知能指数)を学ぼう」より)
3.DQ関連サービス(DQ World)の全体像
ここまではDQ(デジタル知能指数)という指標の内容についてご紹介しましたが、このスキルはトレーニングによって高めていくことができます。そのトレーニング用の教材がDQ Worldになります。
DQ Worldはオンライン学習プラットフォームとなっており、上記したデジタルシティズンシップ8つのスキルを学習するためのカリキュラムが組まれています。(オンラインサイト)
サイトイメージ↓
カリキュラム↓
カリキュラムは、大体8〜10時間程度で修了できるようになっており、ストーリー性のある内容や、クイズに答えていくとポイントが貯まるといったゲーム性を兼ね備えていて、子どもたちが飽きずに取り組める工夫が設けられています。
また、保護者には、子どもたちの学習の進捗状況が分かるようなレポートが示され、子どもたちが何をやっているのか分からないというような状態にならないようになっています。
4.どうしたら取り組むこと(導入すること)ができる?
保護者が個人的に申し込むこともできますが、できれば塾や学校・自治体での導入で多くの児童・生徒の教育に活かしていただければと個人的には思っています。
現在は、DQ Instituteの日本のパートナー企業である株式会社サイバーフェリックスに問い合わせることで、導入をサポートしてくれるようです。DQ Worldの1団体1自治体あたりの費用感についてもこちらのページに掲載されています。非常に安価で、校長先生の決済権やPTA会費などでも賄うことができるかもしれません。
有料ではありますが、オプションとして、先生・生徒・保護者向けそれぞれに講演会やワークショップを行っており、アカウントの一括セットアップサービスなども用意しているとのことです。
今年、小学校に息子が入学した親としては、個人的にでも息子にDQ Worldをやらせてみても良いかなと考えています。