21年度大学入学共通テスト_予備校解説まとめ(1・2日目)

21年度の大学入学共通テストが終了しました。大手予備校の分析結果が出ましたのでまとめてみました。分析した予備校のサイトは下記の通りです。

駿台・ベネッセ
河合塾
代ゼミ
東進

大きな変更点についてはこちらの記事でまとめています。
1日目は「地歴公民」「国語」「英語」、2日目は「理科(1)(2)」「数学(1)(2)」でした。

1.各予備校難易度比較表(1・2日目)

スクリーンショット 2021-01-17 12.00.20

スクリーンショット 2021-01-17 23.20.55

2.英語(リスニング)のセンター試験と共通テストの違い

[変更点]
・配点が50点(筆記と合わせると250点)から100点(筆記と合わせると200点)へ
・読み上げ回数が全て2回だったセンター試験から、共通テストでは2回の問題と1回の問題で構成

スクリーンショット 2021-01-16 20.58.14

3.各科目特記まとめ(1日目)

毎日新聞サイト(駿台・ベネッセデータネットより)参照

●英語(リーディング)
・配点が200点から100点となった。大問数6は、昨年のセンター試験から変更はなかった。
・発音・アクセントや文法・語彙の問題はなくなった。すべての読解問題で英語による設問指示となり、場面やタスクの設定が明確になった。
・題材はショートメッセージのやりとりやファンクラブの入会案内など日常的なものから事実ベースの意見文や叙述文まで様々な内容が扱われ、設問では意見と事実の区別を問うものやワークシートを完成させるもの、解答として当てはまるものを二つ選ぶもの等、新傾向の出題がなされた。
・素材文語数は、昨年のセンター試験から約1400語増加(約2800語→約4200語)。

●国語
・大問数4、各大問の配点50点はセンター試験から変更なし。
・第1問は妖怪に関する単一の文章の出題。問5で文章の内容を理解するために作成したノートが3つ示された。
・第4問は「御術」についての詩と漢文の複数テキストが題材であり、文章に関するイラストも示されていた。

●世界史B
・文献資料、地図やグラフなど、多様な資料が使用され、3つの文献資料を年代順に並び替える問題や、同一の文献資料の改ざん前と後を比較する問題など、これまでのセンター試験と比較して資料を多面的・多角的に考察する問題が多く出題された。試行調査でみられた連動型の問題は出題されなかった。

●日本史B
・大問数6は昨年のセンター試験から変更なし
・試行調査と同様の生徒の学習場面が第1問、第2問、第6問で用いられ、ブラジルの新聞や、小判の重量と金の成分比率のグラフ、荘園絵図などの多様な史資料が扱われた。
・文章選択問題は昨年のセンター試験の11問から6問に減少し、評価と根拠などの組合せ問題が出題された。
・年代整序問題は、昨年のセンター試験の5問から4問に減少した。

●地理B
・仮想の地域の地図や、地理院地図を含む多様な資料が用いられ、図表読解力と地理的思考力が問われた。
・第1問は探究活動や授業の場面設定で大問が展開された。

●現代社会
・設問ごとに会話文や発表文がはさみこまれる形式が多く出題された。
・文章選択問題が減少し、組合せの問題と8択以上の問題が昨年のセンター試験より大幅に増加した。

●倫理
問題ページ数は1ページ増加。2から3のパートに分かれて出題される大問もみられた。文章選択問題が減少し、組合せ問題が増加した。昨年のセンター試験と比べて、図版や原典資料などが多く扱われた。すべての大問で「倫理、政治・経済」との共通の設問が出題された。

●政治・経済
・20年度のセンター試験と比べて、問題ページ数は5ページ増加し、解答数は3個減少した。
・全大問が授業での発表や探究など、生徒の学習活動を場面にした問題設定であった。
・「倫理、政治・経済」との共通の設問が4大問中3大問で出題された。

●倫理・政経
・すべての設問が単独科目「倫理」および「政治・経済」と共通であった。
・倫理分野では、基本的な事項を問う問題が中心であったが、リード文と会話文を結び付けて考える問題がみられた。
・政治・経済分野では資料や模式図を用いた問題がみられた。   

4.各科目特記まとめ(2日目)

毎日新聞サイト(駿台・ベネッセデータネットより)参照

●  物理基礎
・カッターの消費電力を求める問題では、商品ラベルから必要な情報を読み取り、学んだ知識を活用する目新しい出題があった。
・スマートフォンを用いて台車の加速度を測定し、記録テープを用いた結果との違いを考察する問いもあった。

●化学基礎
・第1問では、原子の質量数や原子番号の数値そのものをマークする形式で解答させる点が目新しい。
・第2問では、実験の題材として陽イオン交換樹脂が扱われ、問題文を正確に読み解き、実験操作や実験結果を考察する力が求められた。

●生物基礎
・昨年のセンター試験と比べて解答数は減少したが、設問文の量が大幅に増加。
・ウイルス感染を題材とする設問が複数出題された。
・知識のみを問う問題の割合が減り、初見の資料を知識を踏まえて解釈する必要のある設問が多く出題された。

●地学基礎
・課題の把握から解決までが幅広く問われ、仮説検証の方法を問う出題が複数あった。

●数学Ⅰ
・昨年までのセンター試験の出題を踏襲しつつ、試行調査でも見られたような日常生活に関わる題材や対話形式の問題が出題された。
・また、第2問のように具体的な数値ではなく、一般的に条件が変化したときに適するものを選ぶ問題形式は目新しい出題であった。

●数学Ⅰ・A
・昨年センター試験と比較すると、大問数、配点は変わらず、一方で試験時間増加に伴い文章量や計算量は増加した。
・数と式、場合の数と確率で会話文、2次関数で現実の事象を扱う問題が出題された 。

●数学Ⅱ
・大問数・配点ともに昨年のセンター試験と同様だが、計算量が減少した。
・第2問、第4問は、前半で、具体的な数値を計算し、後半では、前半の結果を利用して、一般化し発展的に考える問題構成になっている。
・第1問〔2〕は、前半の問題を具体的な条件として後半の問いに活用できるように誘導があり、一般化したものを選ぶ目新しい問いとなっている。

●数学Ⅱ・B
・昨年のセンター試験と比較すると、大問数、配点は変わらず、ページ数は増加したが、計算量はやや減少。
・試行調査同様、会話形式の問題やグラフを選択する問題が出題された。また、これまでのセンター試験では第5問であった「確率分布と統計的な推測」が第3問で出題された。

●物理
・語句・文章選択問題を中心に出題された。ダイヤモンドが明るく輝く理由を、与えられたグラフをもとに考察させる問題が出題された。
・また、蛍光灯をテーマに、電子と水銀原子の衝突について考察させる点は目新しい。昨年のセンター試験でみられた選択大問はなくなり、全問必答となった。

●化学
・数値選択問題を中心の構成で、与えられた情報を方眼紙を使って処理する問題などが出題された。
・昨年のセンター試験でみられた選択大問はなくなり、全問必答となった。

●生物
・従来のセンター試験のように大問ごとに分野を分けた出題ではなく、多くの大問で分野融合問題が出された。
・大問間での配点や構成のばらつきも大きかった。
・昨年のセンター試験でみられた選択大問はなくなり、全問必答となった。

●地学
・語句選択問題を中心に出題された。エクマン輸送量に関するグラフなどの目新しい図のほか、高層天気図や星団のHR図など多くの図が用いられた。
・計算問題は多かったが、紛らわしい選択肢は減った。
・センター試験でみられた選択大問はなくなり、全問必答となった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?