ポストコロナの国際協力はどうなる
南半球での感染拡大の懸念
今日から日本はゴールデンウィークが明け、多くの人が仕事を再開した。しかし、そこには今まで通りの姿はない。
緊急事態宣言が5月末まで延長され、多くの企業にテレワークの続行が要請されている。陽気もだんだんと暖かくなり、木々の新緑を見ると夏がもうすぐそこまで来ている気がする。
一方で、北半球が夏になるということは、南半球は冬になっていくということである。そこで懸念されるのが南米やアフリカ南部などでの新型コロナウィルスの勢力が増すことだ。
今のところ特性が解明されていないウィルスなので正しい情報ではないが、インフルエンザなどウィルスは冬の乾燥と低い気温といった環境を好む。また人たちも防寒でストーブを焚いたりし乾燥した住環境を生み出してしまう。
そうした環境を迎える南米やアフリカ南部といった、南半球の地域での今以上の新型コロナウィルスの感染拡大が心配だ。既に5月7日時点でのWHOの発表では、ブラジルは役11万5千人、ペルー約5万2千人、エクアドル約3万人、南アフリカ約8千人の感染者が出ている。
これからの国際協力を考える
上記で述べたような南半球でのさらなる感染拡大がおこった場合は、国際協力の実施方法(あり方)が大きく変化せざるを得ない。特に政府開発援助(ODA)事業は特にだ。
なぜなら、日本の公的事業でもある以上、現場で仕事をする専門家たちの一定の安全も考慮し、緊急援助以外は現場に足を踏み入れられないからである。実際、アフリカの一定地域でエボラ出血熱などが流行した際などもその地域の事業は停止し、終息後に再開となってきた。
今回の場合も恐らく感染症対策やそれにつながる公衆衛生の国際協力は動くだろうが、それ以外の事業はなかなか動き出さないだろう。
つまり、日本が終息に向かったとしても国際協力業界全体は動き出せないということだ。しかしながら、そこで生活している人々もいるし社会課題は山積している。下記の記事でも述べたように、グローバル社会と言われて久しいが、あらゆる課題が他国事ではなく自国にも影響しているのだ。そのためにも国際協力は必要であるのだが、どうするべきだろうか。
既に政府機関でもポストコロナの国際協力のあり方について議論が開始されているらしい。
ODA事業では支援対象国の治安が悪化した際などに隣国からリモートで事業マネジメントすることも過去にはあったが、今の国内でのリモートワークならぬ、国境を越えて日本と途上国のリモートワークになったりするのだろうか?はたまた直接的な技術移転が必要な事象についてはVR(バーチャルリアリティ)を活用したりなどもありうるのか?
いずれにしろ変化をしつつあった国際協力のあり方が、新型コロナウィルスによって加速度的に刷新されていくのだろう。“ポストコロナの国際協力”自身としても考えていきたい。