田中 信行

国際協力のキャリア情報誌『国際協力キャリアガイド』編集長。専門情報の発信とキャリア支援を通じた国際協力を行っていきます。/大学(国際開発論)→営業マン→国連系NPO法人→青年海外協力隊(セネガル)→専門出版社(※大学院:広報・情報学/キャリアコンサルタント / ※発信は個人の見解

田中 信行

国際協力のキャリア情報誌『国際協力キャリアガイド』編集長。専門情報の発信とキャリア支援を通じた国際協力を行っていきます。/大学(国際開発論)→営業マン→国連系NPO法人→青年海外協力隊(セネガル)→専門出版社(※大学院:広報・情報学/キャリアコンサルタント / ※発信は個人の見解

最近の記事

国際協力キャリアの道しるべ役に ~法人を持ちました~

「将来、国際協力をしたいんです。」 国際協力の専門メディア勤務時代より今に至るまで、目を輝かせて国際協力への思いを語ってくれる人たちと数多く出会ってきました。 その人たちとの語り合いの瞬間は、国際協力業界に変化を生み出してくれそうな熱量が伝わってきて、そこからの未来をイメージするのが楽しみでしょうがなかったです。 ただ、最後に一言「でも、何からどうすれば良いのかわからないです…。」との悩みを打ち明けられることも多かったです。 そうした出会いを重ねていくと、自分のなかで

    • 令和における国際協力のキャリアの悩み

      国際協力のキャリアを目指す人から、最近「仕事とプライベートの両立をどうすればいいですか?」という悩みをよく聞く。 これは共働きがあたり前になった、今の時代だからこその悩みかもしれないし、ロールモデルの不在という点も関係しているのかもしれない。 特に、国際協力の仕事は “海外現場(特に開発途上国)に行く” という一般的な日本企業での勤務とは異なるアクションが加わる。この時に、パートナーとの生活を両立する工夫はさまざま思いつくだろうが、難点なのは「子育て」にある。 日本の企

      • 国際協力のキャリア情報で足らない部分とは

        ~2022年に届けたい「ステップ」の情報とは何か?キャリアステップの情報が少ない 国際協力のキャリア情報誌の編集長時代に、多くの人たちから話を聞く中で気づいたことは、学生から国際協力の実務者になるまでの情報が少ないということだ。特に、ロールモデルといった「個」に着目した情報ではなく、国際協力の世界全体を俯瞰したキャリアパスの情報が少ないのだ。 例えるなら、国際協力のキャリア情報を「ホップ、ステップ、ジャンプ」で括った際に「ホップ」と「ジャンプ」の情報はあるが、間の「ステッ

        • Slackの使い方

          このnoteは、国際協力のキャリアが学べる「国際協力の学校」に参加している皆さんに向けて、Slackの使い方を案内するものです。 ※「国際協力の学校」についてはページ最下部にリンクが貼ってありますので、そちらからご確認ください。 まずは9つのチャンネルでの運用となっています(2024年10月5日現在)。今後、人数や企画が増えてくる中で、使いやすいように変更をしていきます。 ​ 00_はじめに「国際協力の学校」の約束ごとやチャンネル案内、Slackの使い方など、まずは最初に

          「国際協力の学校」の約束ごと

          このnoteは、国際協力のキャリアが学べる「国際協力の学校」に参加している皆さんに向けて、Slack内での約束ごとを案内するものです。 ※「国際協力の学校」についてはページ最下部にリンクが貼ってありますので、そちらからご確認ください。 ◆はじめに「国際協力の学校」は、“国際協力に関心がある”、“国際協力のキャリアを目指している” 多様な人が集まり、一緒に国際協力のキャリアを学ぶ場です。 加えて、メンバー同士で情報交換、情報収集、コミュニケーションなどを行うことを目的として

          「国際協力の学校」の約束ごと

          「グローバル」から「プラネタリー」へ視点の変化

          2020年は新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)にはじまり、そのまま1年が終わった。年がかわったものの新型コロナは未だ終息のめどは見えてこない。一方で、コロナ禍で新たに見えてきた課題や視点も多くある。 その一つが、今日お伝えしたい「プラネタリー」という視点だ。 新型コロナは、“ウイルス”という自然界からの事象で、人間が対応するのはとてつもなく大変だということは、世界中が今まさに体験している。そして、どれだけ自然の力が強大かを改めて感じさせられている日々だ。その日々

          「グローバル」から「プラネタリー」へ視点の変化

          雑談量を低下させるフィルターバブル

          探しに行くのではなく引き寄せる今日は情報の取得方法について書いてみた。情報取得行動は、かつては「ググる」という言葉が流行ったように、インターネット上に自ら情報を探しにいっていた。 だが、インターネット上の情報量が爆発的に増えた今は、初動で自ら検索しに行くことは少なく、SNSなどのタイムラインに流れてきた情報の内、気になったものだけを検索エンジンで探したりしているのではないだろうか。 では、タイムラインに流れてくる情報はどう選ばれ表示されているのか?偶然の出会いなのか?

          雑談量を低下させるフィルターバブル

          自身のキャリアと思い

           私は高校3年生の夏にテレビ番組がきかっけで「国際協力」に関心を持ち、国際協力が学べる大学に進学した。高校では付属の大学があり、かつ自分が部活にかまけてあまり成績が良くなかったので、友人や先生にはやめとけと心配してくれたが、マイペースな自分は“やりたいこと”を第一に受験と進学を決めた。この決断が最初のターニングポイントになったが後悔はしていない。  大学在学中にはアフリカのルワンダに行く機会を得て、本格的に国際協力の道を歩む決意ができた。しかしながら、新卒での国際協力の道を

          自身のキャリアと思い

          PDCAサイクルの落とし穴

          Planの原点を見落としがち社会人になれば誰もが一度は耳にする「PDCAサイクル」。これは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字をとって命名された業務の効率化を図る手法で、日本では1990年代後半から使用されるようになった。 しかしながら、見落としがちなのはスタートのPlanを生み出したのは何であるかということである。ゼロ→イチのPlanを立てる時には、その業務全体に対する“思い”や“熱量”があったはずだ。 今のPDCA

          PDCAサイクルの落とし穴

          青年海外協力隊の人的ネットワーク

          仲間とつながるタイミングは人ぞれぞれ青年海外協力隊のメリットの1つが「人的ネットワーク」だと思う。JICA海外協力隊には188職種(JICAホームページから旧職種を除いてカウント)があり、年齢も経歴もバラバラな多様な人材が「国際協力」「社会貢献」「途上国支援」「SDGs」といったキーワードでつながっている。現在までに延べ参加者数が5万人を超える日本の国際協力の世界では大きな人材群である。 ※JICA海外協力隊は総称で、それぞれ青年海外協力隊、シニア海外協力隊、日系社会青年海

          青年海外協力隊の人的ネットワーク

          余白を残すことの大切さ

          画一的な教育の弊害最近読んだ安宅和人著作の『シン・ニンホン』(2020、NewsPicksパブリッシング)に、未来を変える人材としては、既存の枠におさまらないが何かに突出した人が重要だという内容が記されていた。 この変化を生み出す“突出した人材”を育てるには、今の画一的な日本の教育では難しいのではと思う。受験や就職などのためか!?評価をしやすくするためなのか!?この辺は専門でないのでよく分からないが、学習指導要領が高校まで存在し、ほぼ同じカリキュラムでの教育を日本では行って

          余白を残すことの大切さ

          クローズなコミュニティの高い需要

          あらゆるものがオンライン化して感じたこと突然、現実社会のあらゆる接触点が取り上げられ、その多くがオンラインに移行した。「飲み会」「教育」「診察」「カウンセリング」「婚活」「買い物」「運動」etc…。 一気に日本国中がオンライン移行して約2カ月が過ぎようとしている。その中で、オンラインでは何が求められているのかチラチラと見えてきたのではないか。 現実社会で出来ることができないという大前提はなしにして、その中で自分が気になったのは社会人の人たちの「オンライン飲み会も飽きたなー

          クローズなコミュニティの高い需要

          ポストコロナの国際協力はどうなる

          南半球での感染拡大の懸念今日から日本はゴールデンウィークが明け、多くの人が仕事を再開した。しかし、そこには今まで通りの姿はない。 緊急事態宣言が5月末まで延長され、多くの企業にテレワークの続行が要請されている。陽気もだんだんと暖かくなり、木々の新緑を見ると夏がもうすぐそこまで来ている気がする。 一方で、北半球が夏になるということは、南半球は冬になっていくということである。そこで懸念されるのが南米やアフリカ南部などでの新型コロナウィルスの勢力が増すことだ。 今のところ特性

          ポストコロナの国際協力はどうなる

          国際協力を進化させる人材交流

          業界外からの人材流入を考える“ダイバーシティ”という言葉が出てきて久しいが、国際協力の世界においても人材の多様性は必要な気がする。 どうしても同じような興味・関心で、先人のキャリアパスを見習い進むと似たような人材が集ってしまう。国際協力に熱量を持つことは根本的に大事だと思うが、同じ視点ばかりになってしまうと変化に対応できない場合がある。 イノベーションは他業種から起こると言われている。代表的な例としては“Instagram”である。このアプリケーションも名だたるカメラメー

          国際協力を進化させる人材交流

          キャリアとしての青年海外協力隊の見方

          2年は活動期間ということを認識しよう国際協力業界の中で、恐らく最も知名度があるのが“青年海外協力隊”なのではないだろうか。※現在は事業総称を「JICA海外協力隊」という。 そして、国際協力を志す人の多くもキャリアの入口として青年海外協力隊を選択していると思う。自分も実際にその一人である。青年海外協力隊は国際協力のキャリア形成からするとメリットはたくさんある。 「門戸が他の制度に比べて広い」「語学学習がしっかりしている」「人的ネットワークが築ける」「公的事業なので保障が手厚

          キャリアとしての青年海外協力隊の見方

          感染症対策にこそ国際協力の必要性

          視野を広げる必要性 緊急事態宣言が発出され外出自粛の中でのゴールデンウィークを迎えた。新型コロナウィルスの話は、日本メディアの特徴でもあるが、国内に関しての報道が中心となり、多くの人が国内対策ばかりに目がいきがちになる。  だが、こうした感染症対策は視野を広く持たなくてはいけない。その必要性が分かるデータが、国立感染症研究所が4月27日に発表した「新型コロナウィルスSARS-CoV-2のゲノム分子疫学調査」である。 画像出所:国立感染症研究所 https://www.ni

          感染症対策にこそ国際協力の必要性