国際協力を進化させる人材交流
業界外からの人材流入を考える
“ダイバーシティ”という言葉が出てきて久しいが、国際協力の世界においても人材の多様性は必要な気がする。
どうしても同じような興味・関心で、先人のキャリアパスを見習い進むと似たような人材が集ってしまう。国際協力に熱量を持つことは根本的に大事だと思うが、同じ視点ばかりになってしまうと変化に対応できない場合がある。
イノベーションは他業種から起こると言われている。代表的な例としては“Instagram”である。このアプリケーションも名だたるカメラメーカーが作っても良かったはずだが、生み出すことはできなかった。
今や“国際協力”という言葉自体を嫌がる人もいるし、自分もこの言葉に代わるものがあっても良いのではと思うほど、国際協力のあり方は変化していると感じる。
そこで、国際協力をアップデートするためには、多様な人材もしくは今いる人材がマインドチェンジをするなどが必要だ。
まずは親和性のある人材をつなげる
“トライブ”という言葉がある。もともとは部族という言葉だが、今は何らかの共通の興味や目的を持ち、互いにつながっている集団を指す。
国際協力に親和性のある集団の一つは“旅”だと思っている。旅と言えば、一昔前に流行った沢木耕太郎さん著作の『深夜特急』(新潮文庫)という本がある。これに影響されてバックパッカーとなった人も多いのではないだろうか。また国際協力の仕事している人の中にもこの本がきっかけの人もいる。実際、青年海外協力隊の中にも参加後、旅に出る人がいる。
自分もセネガルにいた時に多くの旅人たちと出会ったし、その行動力には驚かされることだらけだった。旅と国際協力のシンパシー(共感)部分は何があるのだろうか?これを問いつづければ何か新たな発見があるかもしれない。
その他にも親和性がある集団はあると思う。その集団を探し国際協力に誘ってみたり、逆にコチラから飛び込んだりするのも面白い♬
業界内のトライブ
また国際協力の世界にもトライブが存在する。大きく「公的セクター」「民間セクター」「市民セクター」があると考える。だが、すべてが協力しあえているわけでは決してない。近しいからこそ、それぞれの思いや考えの違いからウマが合わないなんてことは良くあることだ。
このセクター同士を柔軟につなげる人材がいるだけでも、イノベーションは起こるかもしれない。
国際協力を変えていくために色んな人材交流を図ってきたいし、そういう場づくりも面白いなと思う日々だ♬