<本と映画>アイミタガイ
故佐々部清監督から
2020年1月にご紹介いただきました。
人と人のちょっとした出会いやすれ違いが
知らず知らずに誰かに影響している、という
心温まるとても素敵なお話でした。
その時に、3年がかりで映画化に向けて
動いていると言われていました。
映画会社によると、「地味」だそうで
なかなか難しい、とも。
監督はその年の3月末に急逝されましたので
この作品の映画化を見ることは
無いだろうと思っていました。
コロナ禍でこの本をブログでご紹介しました。
ところが
監督の想いを引き継いだ方々の手でこのたび
映画が完成したと知り感無量です。
佐々部監督との交流については
監督ご自身が、並んで写真を撮っただけなのに
友人としてSNSで紹介されるのが、どうにも・・・
とおっしゃっていたので
お目にかかったことや、一緒に飲み歩いたこと、
娘を紹介させていただいたことなど
ずっと公開していませんでした。
2019年夏、初めての出版本を
恐る恐るお送りしました。
読書家の佐々部監督ですから、あっという間に
読んでくださったようで
とても嬉しい感想をいただきました。
そして、なんと、facebookやツイッター(X)でも、
「友人」としてご紹介くださっていました。
立場上、多くの献本が寄せられると思いますが
SNSでの紹介はほとんど無く
拙書をご紹介いただいたことで
監督のファンの方々からご購入いただきました。
子供の頃から本が好きで、よく読んでいましたが
ただ、読んで面白い、楽しい、で終わっていました。
そんな読書や映画の鑑賞傾向が変わったのは
佐々部清監督との交流がきっかけでした。
ご多忙なのに
頻繁に読まれた本の紹介を送ってくださり
私がご紹介した本をすぐに読んで
感想をお送りくださるというやりとりを通して
本を読んだり、映画を観て感じたことを共有する
楽しみが生まれました。
プラハを旅しているとお知らせしたら
30年前の助監督時代、宮本輝原作「ドナウの旅人」というドラマで、フランクフルト〜ウィーン〜プラハ〜ブダペスト〜ブルガリア〜ルーマニアと40日間のロケに行ったことをお知らせいただきました。プラハには1日だけの滞在だったそうですがそれでも懐かしい思い出としてお知らせ下さいました。
「そちらは今何時でしょうか?」で始まるメッセージに遠い遠い場所の監督を身近に感じました。「よい旅をお祈りいたします。」で締めくくられたメッセージを旅先で何度も読み返しました。
2020年の夏には、都内で監督をお招きして
ハーブとビブリオ講座を開催することにしていました。
アカデミー賞映画監督に講座をしていただく・・・って
ひっくり返るほどの謝金が必要そうですよね。
ここでは内緒にしておきますが
「飲み代程度」でお引き受けくださっていました。
もちろん講座はキャンセルになりましたが
きっと空の上から約束守れなくてごめんね、と
思っていらっしゃると思い
監督の追悼ポスター作成の中心になられていた
映像カメラマンの早坂伸さんにご相談したところ
映画監督の視点では話せないけれど
映像という切り口で映画の話はできるかも、と
快くピンチヒッターを受けていただきました。
この日から映画を観る視点も変わりました。
2冊目を楽しみにしている、と言ってくださっていた
佐々部清監督の墓前に供えるためにも
滞っていた2冊目頑張ろう!と思いました。