小説『思考と対話』序章(無料公開)
【序章】 「目標」は、どうやって見つければいいか? どうやって実現すればいいか?
◆多くの人が見落としてきた、意外な真実 ~ 教わることができない大事なこと ~
僕たちの会話の九十%は、「過去」によってできています。
僕たちの会話には、「未来」について語る言葉がほとんどありません。「誰が何をした」という過去の出来事をもとにした愚痴やウワサならいくらでも話せるのに、「これからどうしたいか」という未来の目標や計画のこととなると、途端に考えが出てこなくなります。だから多くの人は、進学や結婚、退職といった「人生の岐路」に立った時、不安や恐怖におそわれます。
なぜそれが難しいのか?
それは、「考えたことがなかった」からです。周りの人に合わせてさえいれば、「過去」に従ってさえいれば、勉強も仕事もあまり深く考える必要がなかったからです。必要もないのに「未来」のことを考えたり話したりすると、まわりから変な目で見られるのが今までの世の常でした。
でも、人類の発展や世界の歴史に目を向けると、「未来」を創る人が栄え、「過去」にしがみつく人が滅ぶ、という状況があるように見えます。偉大な発明や革命だけでなく、身近な仕事や勉強でも、「未来」を考えている人がいつも一歩先を進んでいます。
いきなりきちんと未来を描くことは難しいかもしれませんが、考えることから少しずつ始めることはできます。どうやって考えればいいか、何から手をつければいいか、学びながら進めばいくことはできます。未来のことは学校や会社ではあまり教えてもらえないので、自分で学び始める以外に方法はありません。
「目標」は、どうやって見つければいいか? どうやって実現すればいいか?
それがこの本のメインテーマです。この本は、ただの小説やノウハウ本ではありません。リアルな世界の、リアルな人たちの、「目標を見つけるプロセス」を表現した物語です。世間で語られる「目標の見つけ方、達成のしかた」にはない、リアルな人間模様を参考にしながら書き上げました。
この本で紹介する「目標を見つけるプロセス」は、実際に多くの人がたどってきたものです。十歳から六十歳まで、さまざまな立場にいる五百名以上の方々の歩みから導き出されたものです。
「とにかく考えるより行動だ」「良い環境に身を置け」「一度決めたら最後までやりきれ」
世間のアドバイスも間違いではありませんが、一部の人の経験を参考にしていることが多く、やや再現性に欠けるところがあります。そのまま鵜呑みにしてしまうと、夢に浮かされて現実を見失い、進路選択や人間関係を見誤る危険性があります。
目標を見つけるには、順序やタイミングを考える必要があります。一人一人の状況や個性を考える必要があります。さまざまな視点で考えるため、意外と複雑で奥が深くなります。「目標を見つける方法」を一言で表すことはおそらくできません。
だから、その全体像や流れを理解しやすいように、経験と知恵を「物語」で表現しました。物語の世界に浸りながら、実用書として学び、リアルな人生に役立てる……そんな読み方をしていただけたら嬉しいです。
日々の忙しさや人間関係の難しさといった「過去」は少し脇へ置いて、ちょっとだけ「未来」に目を向けてこの本を読んでみてください。「自分はどうしたいんだろう?」と、あなた自身の「これから」を考えてみてください。
「これから」を考え始めれば、発想や出会いがますます広がって、人生はさらに希望や可能性に満ちたものになるはずです。過去に振り回されながら他人任せで生きていくより、未来を描きながら自分を信じて生きていく方が、きっと楽しいですよね!
目標を見つけて、「これから」を創っていきましょう! 一人一人の人生経験を「知恵」として残していきましょう! この本が、「目標」についての共通言語・共通認識になっていくことを願っています。
この本を手にとってくれて、ありがとうございます。
執筆者代表 福田幸志郎
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