(本の紹介)悲観論に惑わされないために
お金の本と見せかけて、心理学の本!?
今回取り上げるのは、書籍全体としては「お金との向き合い方」がテーマの一冊。でも実際に読んでみると、お金のノウハウよりも「メンタル・マインド」について書かれている方がメインです。特に、データやエビデンスを用いて「事実から判断しよう」と提案してくれているところが素晴らしかったです。
ここでは「悲観論の誘惑」をご紹介
本の中から、一部を抜粋してご紹介します。
まずは、2008年12月29日、リーマンショック直後に『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙の一面に掲載された経済予測について。
これは、世界有数の権威ある大手経済新聞の一面に掲載された、権威ある学者の考えをもとにした主張です。しかし、実際には起こりませんでした。
一方、こちらはもしもの話ですが、「第二次世界大戦直後の日本で、日本の学者がこんな予測を主張したとしたら、世間からどう見られただろう?」という文面が紹介されています。
実際にこんな予測をした学者は存在しません。しかし、これは実際に日本で起きた出来事です。当時、もしこんな予測を立てた学者がいたら、おそらく世間はこの学者を笑い物にしただろう、と本に書かれています。
人間は、恐ろしいほど「予測」がヘタクソ
多くの人は、楽観論よりも悲観論の方を「知的」とみなします。事実はさておき、社会や人生、人間に対する世間の「ものの見方」は悲観論が主流を占める傾向があります。「人生は甘くない」「人は裏切るものだ」「社会は不平等だ」……果たして、実際の割合としてはどうでしょう?
世間には数々の未来予測や経済予測が出回っています。これから社会がどうなるのか、どんな未来が待っているのか、「予測」は多くの人の心を惹きつけるため、多くの人が派手な予測を繰り広げます。
しかし残念なことに、多くの予測は「検証」されないまま、次の予測に取って代わられてしまいます。大々的に予測する専門家やメディアはたくさん存在しても、「私があの時にした予測は外れました。ごめんなさい」と言えるプロはほとんどいません。自らを顧みることなく、また「次の予測」に目を向ける人が世の中にはたくさんいます。
果たして、「事実」はどうなのか? 予測をした人が過去に言っていたことは、実際どうなったのか?
人の意見や世間の噂は鵜呑みにせず、時間を置いて真偽を見極めたいところですね。(難しいのは、多くの人が「自分は適当な予測や噂を鵜呑みにする人間ではない」と思い込んでいること)
自分の中にある、気付いてすらいない思い込みや刷り込みに振り回されないために、学び続けていきましょう。
お読みくださいまして、ありがとうございました。
サポートがあると、自信と意欲にますます火がつきます。物語も人生も、一緒に楽しんでくださって、ありがとうございます。