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そこかしこに、雑草。

今日は、心療内科に行って、駒場野にいく日。

早めに家を出られたので、池袋のタカセで初めてランチを食べた。古き良き喫茶室のランチ。美味しくて、お母さんと娘さん、親戚と、友達と、仕事中のおじさんに、一人できたお爺さん、いろんな人を内包する空間と、隙のないオペレーション。

ボリュームもしっかりしていて、食後の紅茶もおいしかった。ずっと行ってみたかったから、うれしかった。

少し早めに病院に着いて待合室で待つ。静かで、微かな呼吸の音だけ。ここに居る人はみんなやさしすぎたんだ、と思った。

すぐに呼ばれて、話して、無事に年末が迎えられることに安堵して、生き延びたと思って、先生と良いお年を、と握手をした。

お会計が終わって、12時に予約したのに12時に終わっていた。薬を受け取って、病院を出た。街は、いつもの賑わい。冬の澄んだ光が欅を照らしてはビルの壁面や舗装された道に落ちて、それを人々が踏んでいった。


移動しようと、電車に乗って渋谷に出る。井の頭線に乗って、松濤美術館の須田悦弘展に行きたかったんだ、と思い出した。神仙駅について、閉まりそうなドアに滑り込んで降りた。

歩くと、冬の空気。でも思っていたよりはあたたかい。


しばらくすると着いて、チケットを買う。区民無料の日が定期的にある。世田谷区民は良いなぁと思いつつ、普通に、一般を買う。

展示は、すごくよかった。

木彫なのだけれど、透けるほど薄く、雑草たちが特に心に残った。チューリップも、椿も、薔薇も、なにもかも


ちゃんとそこに種が溢れ芽吹き生えて、呼吸していた。


空調に揺れる朝顔の繊細さ


見落としてしまいそうな壁から生えた雀瓜、屏風にひっそりと隠れたドクダミ、コップにいけられたサザンカ。

床に落ちたチューリップが、反射してきれいだったり、雑草のタイトルの植物たちが、ちゃんと同定出来るくらいに丁寧に作られていたり、

観終わって嬉しくなった。あの建築、好きじゃないと知り合いに言われたけれど、いつもほっとする。今日は、一人でカメラを持って(撮影可)むふむふ、これはすごいなーとか呟いていたら、スタッフの方たちが話しかけてくれて、『ここのは観ましたか?トラップがたくさんあるので、あそこにも、草がありますからね』と丁寧に教えてくれてありがたかった

帰り道、道端の酢漿を見ながら覚書をメモした。

小さな命

季節関係なく咲く花

そこかしこに雑草

雑草というものがいかに世界の潤いか

形をとらえなおす

すごさ

種から芽吹き伸びゆくただそれだけで
美しいって救い

最寄り駅に着くと、お花屋さんの色が柔らかい春の色。山形の啓翁桜、かわいらしい。

来年はもう少し花を飾りたいな、と思った。

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白色矮星
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