いま求められるマネジメントとは。(#管理職は必要ですか【日経新聞連動企画】)
日経COMEMOのお題「管理職は必要ですか」の募集がかかっていますが、このテーマ(マネジメント)については私の中でも今最も旬なテーマということもあり、以下に考察をまとめてみました。
結論から言えば、コロナ禍であろうとなかろうと、マネジメントのできない管理職は今後必要なくなる、というのが私の考えです。
その思いは、ちょうど先週の土曜日、以下の勉強会に参加をしたことでますます強くなりました。
講師を務めた佐藤等さんによれば、ドラッカーのいう「マネジメントは体系である」は具体的に以下4つに整理ができる、とのことでした。
・事業のマネジメント
・組織のマネジメント
・人のマネジメント
・セルフマネジメント
今回のお題にある「管理職」という言葉は、恐らく日本独特の言葉(概念)だと思いますが、上記の4つの体系に強引に結びつけるとしたら、多くの管理職の行為は「人のマネジメント」にあたるのかなと思います。
しかし、私がこれまで接して来た管理職(上司・同僚)の殆どは、「人(部下)を管理すること」が自分の仕事だと思い込んでいるように思います。
本来、マネジメントの目的は、端的にまとめるならば、「人や組織を活かし、価値ある成果を挙げること」だと思います。
しかし「管理」という言葉からは「人を活かす」という発想は残念ながら感じ取ることはできません。
では、「人を活かす」為には具体的に何を実践すればよいでしょうか。
私は先日の勉強会や、ドラッカーのいくつかの書籍を通じて、要点は以下4つではないかと思うようになりました。
・部下のことを尊重する
・部下に対して敬意を表する
・部下の強みを知る
・部下がその強みを活かせる環境を用意する
これは、テレワーク中心の勤務スタイルであろうとなかろうと、変わらない原理原則だと思います。
今回のコロナ禍は、否応なしに私たちの働く環境を変えました。
この状況においてマネージャー(not管理職)は、従来とは異なった「部下がその強みを活かせる環境」を改めて用意をし、部下が成果を挙げられる状態を作り上げなければなりません。それがマネージャーに課された使命の一つです。
加えて、上記佐藤等さんが示した4つの体系が示している通り、マネジメントは「人のマネジメント」だけではありません。
これだけ急激に環境の変化が訪れたのであれば、事業の定義も変わり、それにより仕事の進め方も変わり、人(部下)のマネジメントも変えざるを得ず、ひいては自分自身の考え方や行動も変えなけばなりません(セルフマネジメント)。
にも拘わらず、相変わらず「人の管理」だけをやろうとしているのであれば、余計な報告業務を増やしたり、もはや達成困難な従前と同じ目標を押し付けてしまったり、かえって部下の足手まといになる施策を繰り広げ兼ねません。
そんな管理職(notマネージャー)の存在は組織にとってマイナスにしかなりません。
今回のコロナ禍の騒動を契機に、マネジメントを正しく学びなおすか、もしくはそろそろご退陣を願うか、どちらかであって欲しいなと思います。