組織の命運は採用で決まる!?
先日、以下の記事を書きました。
この記事を書き終えて強く感じているのは、組織がある目的に向かって活き活きと動き出すには、持てるエネルギーをその組織の中で余すことなく発揮できる人材をいかに見つけ、いかに採用するかにかかっているのでは?という点です。
人がそのエネルギーを発揮する時って、誰かに「やれ」って言われる時ではなく、自らの内面から湧き出てくる思いとか志とかに突き動かされる時が殆どです。
組織の中で働く場合、組織が実現したいことと、自らが実現したいこと、この2つが重なり合った時、きっとその人は組織なり上司なりから「やれ」と言われる前に自らやってしまう。放っておいてもやってしまう。
でも組織が実現したいことと自らが実現したいことにギャップが生じてしまっていると、どうしても組織と個人との力関係の結果、組織の実現したいことが優先されてしまう。
結果、あまりやりたくもない仕事を「やれ」と言われてやる羽目になってしまう…
そんな状態で、やらされ感満載で働いている人も多いと思います。
以前、ネッツトヨタ南国の横田さんのセミナーの記事を書いたことがあります。
横田さんは「私はもともと気が弱いから、指示も命令もしません」と言っていましたが、気が弱いからではなく、指示も命令もしない組織を意図的につくってきたから指示も命令もする必要が無い、が真意だと理解しています。
また、横田さんは、一番力を入れてきたのが「採用」だとも言っていました。つまりネッツトヨタ南国で実現したいことと重なり合う人材を見つけることに注力し、採用をしてきたのだと思います。
横田さんのセミナーで一番印象的だったのは、その社員の皆様の仕事に向かう姿勢です。皆さん本当に目を輝かせ、活き活きと働いてらっしゃる。誇りをもって働いてらっしゃる。
組織と個人の方向性が合致すると、こんなにまでも人は活き活きと働きだすのかと思い知りました。
多くの企業はすぐに業績をあげるような「優秀な人材」を求め採用を行い、一方社員は給与を中心とした「待遇」を求め会社を選ぶ。その行為は横田さんに言わせると「失敗を招く」ということなのでしょう。
失敗を招き続けてきた結果が、ここ30年続く日本企業の停滞。
失敗を回避しようと、後付けて社員教育を行ったり、理念を「浸透」させようとしたり、評価と報酬で人を動かそうとしたり。どの企業も必死です。
必死ですが、例えば自分の勤め先で繰り広げられる様々な施策を見ていても、後付けで目的を合わせることの難しさは痛烈に感じます。
組織がその存在意義や目的を果たすためには、所属するメンバーを「いかに動かすか」ではなくて、「いかに集まってもらうか」が、これからの組織にとっての命運を分けるように思います。