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映画『レジェンド&バタフライ』に観る夫婦の糸

織田信長が本能寺で自刃したとされるのは49歳。
この映画で信長を演じた木村拓哉さんや、筆者自身も正に同世代です。

今回の映画は、日本人の深層に長年刷り込まれてきた、時代を創った"天下の魔王・信長"のイメージから少し視点を変えたストーリーに仕立てられています。

尾張の虎と称された武将・織田信秀の嫡男...にしては、恰好ばかりでいまひとつうだつの上がらない信長。
その元へ政略結婚の目的で嫁いできたのは、斎藤道三の娘である帰蝶(濃姫)。
結婚当時既にバツ2だった帰蝶は文武両道、頭脳明晰、志も高い14歳のスーパーガール。
現代で言えば成績優秀・格闘技でも敵なしのスーパー中・高生の様なイメージでしょうか?
若く気の強い帰蝶は1歳年上の信長とも常に火花を散らし、見ているこちらがはらつくほど仲が悪い。
しかし、若さが故に?指揮官としての経験値も足りない信長は帰蝶から出された名案に助けられ次々と戦果を上げていく。

こうして戦友の様に順調に歩んでいた二人に不幸が訪れる。
ある大きな敗戦を喫っした時期、帰蝶待望の子どもの流産が重なり、戦況の重い責任に押しつぶされていた信長は帰蝶に冷たい態度を取ってしまうことで、二人の仲には大きな溝が出来...その後離縁に至る。

それから帰蝶を振り切り、仕事(天下布武)に邁進する信長。
いつしか魔王の形相に変化し、軍勢の勢いはいよいよ増していく。
しかしある宴の際、休みも取らず働いていた信長は体調を崩し倒れる。
帰蝶と共に、帰蝶のために戦ってきた(働いてきた)はずが、生きる意義を見失っていた信長はその気持ちを息子に打ち明ける。

時を経て、ある日帰蝶の侍従・福富平太郎貞家が信長の元を訪れ、病に伏す帰蝶の元へ信長を導く。
これをきっかけに、帰蝶を求めてきた信長は復縁を果たすが、信長にはある大きな変化が訪れる...魔王から人間に戻ってしまったのだ。
最後の大仕事を納めたなら、長らく病床に伏す帰蝶と二人だけの人生を送ろうと希望を膨らませる織田信長。
...本能寺で、彼は最期に何を想っていたのでしょうか。

まさか織田信長が夫婦ドラマになるとは思いもよりませんでした。
織田信成さんはきっと、この信長の無念の想いを晴らしているに違いありませんね。

ということで、映画をまだ観ていない方にネタバレし過ぎぬため、筆者の頼りない記憶力を悟られぬため、ご紹介はこの位にしたいと思います。

昨今、各界の著名人たちから家族の大切さを語られることも自然になってきました。
男は若いころ、自己実現やポジション得るためにも会社で一生懸命働き、いつしか夫となり、父となり、人生のスタンスや軸足は変わっていきます。
高度成長期の"企業戦士"を過去のものにし、家族との時間が増えつつある現代、夫婦の役割分担や関係性はどう変化していくのでしょうか?
働くことと家族との時間をどう上手にバランスさせていくか。

「THE LEGEND & BUTTERFLY」
パートナーにお世話になっている日常を思い出しながらご覧になってみては如何でしょうか?

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