量産入門
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200万円で1500個からはじめる少量生産のすべて
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この本のタイトルを最初に見たとき、個人規模でできると思いもよらなかったことが、できる時代になったんじゃないかとワクワクしました。
私はソフトウェアのエンジニアではありますが、近年は3DプリンターやCNC、レーザーカッターなど工作ツールが比較的手の届きやすい価格帯、もしくはレンタルサービスの充実により、ハードウェア制作をすることがたまにあります。専門外の人でも、3Dプリンターを使ってプラスチックの成形が行えるようになったのはハードウェアのソフトウェア化による恩恵です。
□ 工作に職人的技術が要求されていたものが、機械で代替できる
ようになり、技術の量産(コピー)ができるようになった
□ トライ&エラーが短時間・ローコストで行えるようになった
そのような恩恵を受けて制作してみたものは以下のようなものです。
・ゲーム用コントローラ ※ Fusion 360
・ちょっとした留め具や部材 ※ Fusion 360
・PCB基板 ※ KiCAD
※は使用ツール
PCB基版というのは、電化製品の中に入ってるような回路基板です。
3Dプリンターでボディーを作り、PCB基板や接続するセンサー、ディスプレイ等を組み込めば、意外と簡単に製品っぽいものが作れるのです。
この「製品っぽいモノが作れる」というのは結構大事で、完成時のテンションが違います。
Fusion 360もKiCADも無料で使い始めることができる点も大きく、高機能なソフトが無料で使えることも、間口を広げる一因になっていると思います。(Fusion 360は無償で使うには諸条件有り)
しかし、これだけものが作りやすくなった時代ですが、設計のノウハウは、なかなか個人レベルで身につけるのは困難で、あくまで自分の失敗からしか見つけられないことが多く、特に身近に同じようなことをやってる人が少ないと、勉強会のような場に頑張って参加するしかありません。
「この支柱の太さはどのくらいが適切なのか?」
「どこが壊れやすいのか」
「失敗したとき、どのように修正するのが良いか」
本書は、どう調べれば良いかも分からない生産についての、取っ掛かりとして参考になりました。こういった情報は専門業者と直接コミュニケーションを取らないと手に入らないものなので、専門外の私にとっては貴重で、読み物としても面白い。
いつか機会があれば量産も実践してみたいです。
余談
カバーに関連書籍として載ってる本も気になってポチってしまいました。
プロダクト成形の方法や特性について載っていて、身近な製品がどのように作られているか興味の尽きない内容でした。
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