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合言葉は「なるほどフォカッチャ」/鳩見すた「ハリネズミと謎解きたがりなパン屋さん」シリーズ

「人の秘密はそっとしておかなければならないんです。膝の上に乗ったハリネズミみたいに」


「ハリネズミと謎解きたがりなパン屋さん」は、鳩見すたさんのシリーズ小説です。「なるほどフォカッチャ」と「ときめきフォカッチャ」の2冊から成っており、可愛らしい探偵さんに癒される、「日常の謎」を扱ったライトなミステリーです。

主人公の「僕」が一目惚れしたのは、パン屋の店員の麦さん。彼女は、「フォカッチャ」という名前のハリネズミを飼っており、日常のささいな謎を愛する、ちょっと不思議な女性です。「僕」は、度々お店を訪ねるうちに、麦さんと共に謎解きをするようになります。「日常の謎」を紐解く鍵は、パンとコーヒーとハリネズミ(!)。ほっこり美味しいミステリーをご賞味ください。

この本はこんな人におすすめ

①小動物が好き
②パンが好き
③ほっこりミステリーが好き

それでは、この作品の魅力をご紹介していきたいと思います、ぴょん!

*謎を解く鍵はハリネズミ

本作のメインキャラクターのひとり(1匹?)であるフォカッチャは、麦さんたちの謎解きを手助けする、探偵ハリネズミです。その並外れた能力にくすっと笑ったり感心したりと、自然とほっこりした気持ちにさせてくれます。

また、フォカッチャの描写が愛くるしくて、こうさぎはとても好きでした。ハリネズミというと、とげとげしていて近寄り難いイメージだったのですが、思わずファンになってしまう可愛さです。

ちなみに私は、このシリーズを読んでから、身の回りにハリネズミのイラストが入った小物が増えてしまいました。

*個性的な登場人物たち

麦さんは、日常の謎とパンとハリネズミとをこよなく愛する、パン屋さん。「僕」は、普段は無表情な麦さんの、不意に笑った顔に一目惚れしてパン屋に通い始めます。ふたりの関係性が微笑ましく、淡い淡い恋模様も見所です。

また、彼と彼女を取り巻く人々もそれぞれが個性的で、思わず一気に読んでしまいます。ミステリーとしてはライトですが、人間ドラマとしても楽しめる物語です。

こんがり焼けるパンの匂いにつつまれながら、ハリネズミに導かれて謎を解く、ほのぼのミステリー。是非、読んでみてください、ぴょん!

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