「ハザール」ヴァイキング国家ロシアに滅ぼされた騎馬遊牧民国家/「教養としてのハイブランド」シャネルの復活が特別なわけ/シリアを見てトルコを警戒するネタニヤフ/ガーナの古着市場の火災と新大統領就任式

1月8日(水)晴れ

昨日は一昨日の夜の高速走行での疲れが出たのか、1日体調がパッとしなかった。肘湯をやり、足湯をやり、目を温めてだいぶ普通の調子の悪い時くらいの感じになり、とりあえず仕事はなんとか乗り切った。駐車場の水溜りに砂利を入れたり、年賀状の出し忘れた人に返事を書いたり、細々した仕事は少しずつやった。夜は一気に眠くなってなんとか風呂だけ入って寝たのだが、朝起きたら5時で、割と調子は回復していた。やることをちゃんとやって寝ればかなりマシになるというのはわかった。それが面倒だからなかなかできなくて「半分調子が悪い」状態を引きずってしまうのだが。

読んでいるもの、見ているものがいろいろ溜まっている。月曜日に図書館で借りた「ハザール」と日曜日に東京堂で買った「教養としてのハイブランド」と2冊読むものがあるのだが、評判になっている大河ドラマ「べらぼう」の初回も録画を見ないといけないなと思っている。世の中では映像(というか動画)全盛時代だが、私は時間の消費を強要される映像は最近あまり得意でない。ただこの作品はいろいろな意味でみた方が良さそうなので時間を作ってみてみたいと思う。


「ハザール」はまだ26/396ページ。ここまでのところでも自分の知らなかったことがいくつか出てきていて既に発見がいくつかある。一つは、突厥・ウイグルの系譜を引くトルコ系の騎馬遊牧民族国家であり、ボルガ川がカスピ海に注ぐデルタ地帯のあたりに都があったらしいということ。なんとなくイラン系か、トルコ系かと思っていたが、トルコ系だとはっきりわかったのが良かった。

もう一つはキエフ・ルーシ国家のスビャトスラフ1世(位945-972)に滅ぼされたということ。当時のルーシ国家はノブゴロト国家を建てたヴァヤリーグ(ヴァイキング)のリューリク(位864-879)の系統に支配されていたわけで、つまりは広大なロシアの内水面を支配する彼らの「船の力」が「騎馬の力」を圧倒した、という話が興味深かった。

後書きを少し読むと、彼らが滅亡した理由は、イスラムのアラブ帝国、ギリシャ正教のビザンツ帝国に対抗するためにユダヤ教を国教にしたことにより、連帯する相手がなくて国際的に孤立したことが大きかった、というのはなるほどと思った。またそれを現代のソ連国家に準えて、ソ連が共産主義を選択したために連帯する国家が限られ、孤立した故だった、というのもまあそうだなと思う。より普遍的な思想、国家体制を受け入れた国家が生き残る、というのは基本的にはそうだなと思う。


「教養としてのハイブランド」は42/251ページ、1950年代のところまで。戦後のパリのファッションはクリスチャン・ディオールのニュールックと呼ばれる長い丈のドレスが評判になったのだけれども、それに意を唱えたのが当時70歳を越えていたココ・シャネルだった、というのは面白い。彼女の戦前の代表的な業績はリトルブラックドレスと香水No.5であることは有名だけど、シャネルスーツはディオールへのアンチテーゼとして彼女が73歳の時に出されたものだった、というのは知らなかった。彼女は戦時中ナチスのスパイをやっていたこともありそのファッションはパリでは受け入れられなかったが、アメリカで評判になったためにシャネルは復活した、というのはなるほどと思った。

ディオールの師であるリュシアン・ルロンをはじめ、ファッション業界ではトレンドを外れたら2度と浮かび上がることは難しいのだそうだが、だからこそこのシャネルの復活はすごいことなのだ、という主張もよく理解できた。


シリア情勢に対し、イスラエルはトルコの影響力の強大化を懸念しているとのこと。私自身、トルコの影響力が強くなることはこの地域の安定には必要なことだと思うのだが、イスラエルは「オスマン帝国の復活を目論むトルコ」という図式を書いてそれを牽制しようとしているようだ。

ただ今のところシリア暫定政権に対するトルコの影響力は限定的なものに思われるし、復興の資金は湾岸産油国の援助を期待していると思われるから、暫定政権が表立ってイスラエルと対立する方向は選ばないだろうから、イスラエルは「安定したイスラム色の強いシリア」を潜在的な脅威として意識している、という程度のものだと考えた方がいいだろうとは思う。

イスラエルもハマスの侵攻以来周りは全て敵、味方はアメリカのみ、という感じになっているがそろそろ冷静になってもらいたいとは思う。ただ国民が冷静になったらネタニヤフが政権を失うのは目に見えているから、新たな脅威を作り続けているということなのだろうと思う。その弊害はかなり大きいのだが。


アフリカの古着市場については書いたことがあると思うが、ガーナのアクラにある世界最大規模のカンタマント古着市場が火災被害にあったようだ。

これが直接的にどういう影響を与えるのかははっきりとは言えないが、アフリカで流通している古着のかなりの部分が失われたわけだから、業界に対する影響は大きいだろう。欧米や中国から流れ込んでいる古着の山がなくなることはないだろうから市場の活力が失われることはないと思うけれども、むしろその新陳代謝が進むことになるのだろうか。

そのガーナでマハマ新大統領の就任式が行われたと。日本からは日本ガーナ友好議員連盟の田中良生衆院議員が石破首相の特使として派遣されたとのこと。

FaceBookにその様子が報告されていた。

ガーナ共和国・海外派遣③日目その1。 朝から、独立広場にて、新大統領就任式が挙行され、参列しました。 新議長による開会の辞のお祈りに始まり、オポク=アジェマン新副大統領による宣誓。そして、マハマ新大統領による宣誓の後、大統領就任演説が行われました。その後、来賓スピーチ、式典での各国元首級の表敬が延々と続きます。

Posted by 田中 良生 on Tuesday, January 7, 2025

古着市場の火災についての報告はないし、こういう外交日程はタイトだろうから例外的な情報収集は難しいのかもしれないけれども、その辺りのこともつかんできてもらえると良いのではないかと思った。

それにしても、そういう地域の議員連盟に入るとその国に派遣される可能性が高まるわけだな。国会議員というのもそういうことで言っても面白くやりがいのある部分は出てくるかもしれないと思った。

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kous37
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