ライオン・キングの新作をバリー・ジェンキンスが監督するなんて(ワクワク)

お盆。実家の布団でゴロゴロしながらSNSをダラダラと眺めていると、不意に流れてきた映画の広告。

何の映画だろうと普段は即行で消すところをじっと見ていたところ、それは『ライオン・キング:ムファサ』だった。ライオン・キングといえば自分が幼稚園に通っていたころに公開されていた映画だ。初見は劇場ではなくビデオレンタルだったはず。夏休みか、学校がそんな長期休みの時期に、向かいに住む友人の家に近所の同世代が集まり、寝転がったり頬杖をついたりポテチを食べたりしながら見ていた。

みんな、すんごい満足していたのを覚えている。冒頭の「雄叫び」がみんなツボにハマり、リピート再生をしながらゲラゲラした。ムファサの死やシンバの受難、そして復活からの国へ帰還し王の座に就く。その物語に子どもながらに感動していた。

数あるディズニーアニメのなかでも初代『ライオン・キング』は自分の好きな作品でもある。子どものころに何度となく見たし、家には当時珍しいパソコンがあったため、ゲーム機がない代わりにパソコンでプレイできるディズニーゲーム、なかでもライオン・キングをテーマにしたものをよくプレイした。作品の物語を忠実になぞらえたRPG、ティモンやプンバを中心キャラにして徹底的に娯楽に徹したものなど。

そういう意味でも馴染み深い作品であるため、広告に流れる予告を見ながら「へぇ〜、ムファサとスカーの物語かあ。初代の前日章なんだね、『ライオン・キング・ビギニング』あるいは『ライオン・キング・ゼロ』みたいなものか」とかポワーンと考えてた。そして、閉じられたテキスト部分を見ると、なんとまあ! 監督がバリー・ジェンキンスじゃないか。

バリー・ジェンキンス、『ムーンライト』を見て以来のファンだ。『ムーンライト』はそのストーリーも役者の演技も、そのブルーを基調とした画のつくり方も大好きな作品だ。人生で好きな映画の10本には確実に入れたい作品。年に一回は見て、エンパワーされたい作品。

『ビール・ストリートの恋人たち』もいい作品だった。『aftersun/アフターサン』の製作にも入っているようで、どこまで関わっているかはわからないが、確かにバリー・ジェンキンスっぽさを感じられる(もっとも僕の主観だが)。

人間関係の描き方が巧みというか微細な感情の揺れを大切にしている監督だと思っている。その彼がライオン・キングの最新作の監督をしているなんて、期待大ではないか! 
前作に当たる2019年のリブート・フルCG版『ライオン・キング』を見ていないこともあり、どこまで初代アニメ版と変化があるのかつかめていないけれど、公開が楽しみだ。久しぶりのディズニー作品。

なんだかんだシンバをチャイルディッシュ・ガンビーノが務め、ナラをビヨンセが務めるという点もワクワクを加速させる。マッツ・ミケルセンも出るとなると、期待値が上がり過ぎる。

バリー・ジェンキンスの手腕がどう発揮させれるか。日本公開は12月20日から。24年末一番の楽しみかも。

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半田孝輔|ライター・編集
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