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お金の話

お金の話と言ってもお金儲けの話ではありません。
お金ってどうやってこの世に発生するのか?という話です。

お金というのは当然ですが天から降って来るものでも
地面から生えて来るものでも、労働の汗が具現化したものでもなく
現代貨幣は鋳造した硬貨か印刷した紙です。

この現代貨幣の源流はどこにあるのか?
その謎はアマゾンの奥地にある謎の先住民族ではなく
政府の支出がお金の供給先です
そして現代のシステムでは「国債」から始まる
いわゆる「国の借金」がお金の供給先です。

ここまで読んで勘の言い方は
「ははーん、MMT理論だな?w」(*注1)と思うでしょう
全く違います、これは現代の貨幣システムの説明であり
簿記会計で表された単なる取引記録のフローの解説です。
要するに、
後述する仕訳を丹念に追っていけば誰でも再現できるただの仕訳です。

さて本論に入りましょう。


政府支出が民間への預金の供給である。
収税が民間預金の回収(強奪)である。

こう言われると不思議な思いをするでしょう
常識に反しています。

常識では
政府支出は民間預金を消化している。(国債を借りる)
収税により民間預金に返済がされる。(国債を返す)
これが常識です、学校でも習いますし
新聞やテレビ・ラジオでも有識者と言われる人はそう言っています。
しかしこれが間違いです。
以下の仕訳で証明していきます。

今回やる仕訳のややこしい所は4部門間の会計をそれぞれ仕訳する所です。

4部門とは
・政府
・中央銀行
・民間銀行
・民間経済

この4部門で構成されています。

⓵まず政府が国債を発行し民間銀行がこれを買い上げます
 政府  :__ /国債 
 民間銀行:国債/__

②この時の支払いは双方が日銀に持つ当座預金で決済されます
 政府  :当座預金/国債 
 日銀  :(民間銀行)当座預金/(政府)当座預金
 民間銀行:国債/当座預金

※注意が必要なのはこの時に振り替えられるのは民間銀行が日本銀行に持っている当座預金(準備預金)であって我々民間人の預貯金では無いという事です。

準備預金が振り替えられた日本銀行は金利の上昇を抑える必要があります

国債購入に準備預金が支払われます

④金利を抑える為に日銀は準備預金を供給します

 日銀  :貸付金or国債/当座預金
 民間銀行:当座預金/借入金or国債

準備預金を供給します

⑤この際、日銀は国債を買い上げても良いし、直接資金を貸し出してもどちらでもいい

⑥これによって政府は当座預金資金を得ることが出来ました。

⑦次に政府は何かに支出をします。
 (この際の支出は何に支出しても構わない)

⑧そうすると政府当座預金民間への預金として払い出されます
 政府: 購入/当座預金 
 民間: 預金/売上

⑨この売り上げは民間銀行の「負債」として記帳されます
 民間銀行 __/預金

⑩そしてこの預金の記入は日銀当座預金の振り替えで行われます
   政府: 購入/日銀当座預金
   民間: 預金/売上
 民間銀行: 日銀当座預金預金
 日本銀行: 政府当座預金民間銀行当座預金

⑪民間銀行の預金が増えたので所与の準備預金量では金利が上昇してしまう

預金が増えると貨幣需要曲線が右にシフトする

⑫中央銀行は所与の金利目標を維持する為に準備預金を供給しなければならない

中央銀行は貨幣需要に合わせて貨幣を供給する

⑬こうしてベースマネーもマネーサプライも両方増加する

これが政府支出で預金が増える現象の正体

この一連の取引を見ればわかるように
政府の支出によって民間に預金が供給される事がわかります。
そしてそれらの取引が中央銀行の当座預金口座を使って行われており
振り替え業務と金利操作を通じて預金準備の供給と回収を行い現代の銀行システムを維持していることが判るでしょう。

実はこのシステムは国債発行無しでも維持出来ます。
政府預金を民間に振り替えれば良いのですから別に国債は必要ありません。

ただし実際には金利操作の玉として国債が必要で会ったり無秩序な政府支出を避ける為や国債金利によって経済状況を測るなど銀行システムを維持する為には必要なものになっているのでしょう。

さて、今回のこの記事だけでは納得は出来ないでしょうから次回は具体的な数字を入れてみたいと思います。
(各自で確認する事は可能なので頑張って下さい)

注1)MMTとはModern Monetary Theoryの略称であり
日本語では”現代貨幣理論”になります。
MMT理論というとModern Monetary Theory Theoryつまり
”現代貨幣理論理論”となります。
つまりMMT理論と表記してる人物はMMTについて何も判ってないです。

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