病を持たざるを得なかった人々
かつて、不治の病と言われていた病気はたくさんあります。
例えば、ハンセン病。
程度は違いますが、ひと昔前は口内炎も何故できるのか理由がわからないとされていました。
ストレス社会と呼ばれるようになった現代。
人々はみな、どこかしら疲れており、ちょっとずつ、ズレが生じているのではないでしょうか?
今日は、現代になって、よりスポットライトがあたるようになった病、精神の病について語った本にお話しましょう。
『24人のビリー・ミリガン』は、アメリカ合衆国の歴史上はじめて、重い罪を犯したのにも関わらず、多重人格であることから、精神障害を理由として無罪判決が下った人物、ウィリアム・スタンリー・ミリガン(ビリー)について語った一冊です。
幼少期、大変につらい体験をしてきたビリーは、24人もの人格を作らねば生きられませんでした。
その人生はあまりにも壮絶すぎて、可哀そうになってきてしまいます。
また、人格が入れ替わるため、当のビリーは時間の進みもあやふや、自分が何をしたかもわからない。
あとから、こういうことをやった……と覚えのない行為を指摘され、自分に自信がなくなっていく。
一生自分はこのままなのだ……と思い詰めてしまいます。
しかし、彼は周囲の手助けを得て、社会復帰することが出来ました。
この本が出版されたのは1981年。
今はさらに、時が進んでいます。
今病で苦しんでいる人も、医療の力を借り、周囲の手助けを得れば、きっと光明が見えてくるのではないでしょうか?