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元高校球児が思う、これからの高校野球の酷暑対策とは?

今夏、長男が昨年までお世話になった高校の応援で、甲子園に行ってきました。

せっかく甲子園へ行くということで、家族で第1試合から観戦。
第4試合の長男高校の応援を含め、丸1日甲子園におりました。

感想は、
野球は置いておいて、、

とにかく暑い!
モーレツに暑い!!
ベンチが火傷するくらい熱い!!!
日差しが痛い!!!!

スタンド裏のクーラー前には涼を求めたおびただしい数のヒトたちが。
売店は常に長蛇の列。
ビールの売り子さんには客からひっきりなしに声がかかる。

スタンドでは日差しからの逃げ場はほぼありません。
(銀傘下はプラチナチケット)

間違いなく僕の現役時代より暑い!(30年以上前)
夏の酷暑化を身をもって感じた次第です。

そこで
去年まで高校球児だった長男に
「よくこんな暑い中で野球やってたよね?やっぱり大変だった?」
と素朴な質問。

すると長男からは意外な答えが。


今回は、
高校野球の甲子園開催や7回制の導入など、
最近何かと話題になる高校野球の酷暑対策についての思いを書きます。

あくまでも長男の意見を聞いたうえでの個人的な思いですので、広い心で見ていただけましたら幸いです。

僕は、少年ソフトボール、少年野球の監督・ヘッドコーチを20年以上経験。少年少女ソフトボール指導者免許所持。
息子2人。
長男→現在は引退。高校は多くのプロ野球選手を輩出した名門校で1年秋から4番レギュラー。県ベスト4。
次男→中学硬式クラブチームに所属。2年時に投手として上級生のチームに帯同。全国大会ベスト8。全ての試合に先発登板。
息子を含め200名以上の指導経験があります。僕の経験を通じて、野球に携わる方々へ何かお役に立てれば幸いです。


長男の返答

長男の意外な返答は、

長男「試合でいくら酷暑対策やっても関係ないと思う」

僕「????」

長男「試合は半分休憩だし、ベンチは日陰だし。
うちの高校でもベンチに扇風機あるし、アクエリ入ったデカいジャグあるし。
普段の練習の方がよっぽどキツイ。
っていうか、冬のトレーニングの方がキツイ。
夏は試合ばかりだから楽なんよ。
それよりも、日なたのスタンドで晒(さら)されている今日の方がシンドイ!」

う~ん、なるほど。
そーいえば去年の夏の地方大会、長男高校で試合中に足攣(つ)って倒れた選手はいませんでした。

長男高校は野球推薦ばかりの甲子園出場校。
普段の練習メニューを聞いててもかなりハード&長時間練習です。
だから、練習中に足攣ることはあるそうです。
それも頻繁に。
何なら長男は小さい頃から足攣(つ)りやすいタイプでしたw

もちろんこれはその高校一人の意見であり、むしろ練習時間が少ない高校はたくさんあります。

僕「でも、練習時間の短い高校もあるでしょ。そういった高校については当てはまらないんじゃない?」

長男「足攣(つ)る選手はもともと攣りやすい選手。(っていうかお前な)
でもそこは個人差があるからそれ自体が悪いわけではない。
むしろそこは指導者やチームメイトが普段から気にして監視すべき。
足攣る選手はだいたいいつも一緒だなんだよね。(だからお前だって)
足攣りやすい選手は毎日一緒にいたらわかるよ。
夏の大会の1試合だけフォーカスしても意味ないじゃん」

なるほど、これからの大人の介在の仕方についてヒントになるような。

(これを踏まえた長男の酷暑対策は後で記載します。)

今年の夏も暑かった!

球児たちの夢は、甲子園で泥だらけになることだった

そこで次の質問。

「甲子園が何処かのドーム開催になったらどう?」

長男「ありえないでしょ!誰も練習しなくなる。
この球場で泥だらけになって野球がしたい一心で頑張ってきたんやから」

写真:アベーマブログから

若者は、祭りで弾けたい!!という願望がある

最近僕のファイルから長男高校の体育祭の写真を見つけました。

楽しそう!
不要なゴールのヘッスラ(笑)

野球部以外の子供たちが体全体で楽しんでいる様子がたくさん詰まっていました。
さらに、

産業田植え競技会の写真 朝日新聞社

山形県新庄市の高校で毎年行われている産業田植え競技会の模様を伝えるニュースもたまたま見ました。
高校生たちが泥だらけになってはしゃいでる姿が微笑ましいw

こんな姿を見て、僕は若い頃を思い返したんです。

若い時って祭りが大好き!
若い時って弾けたい!
若い時って無茶もしてみたい!

って年ごろだったなと。

僕らも若い時っていろいろ無茶しましたよね?
徹夜でくだらない遊びしたり。
危険と言われることに挑戦してみたり。(で、怒られたり)

そんな過去はみんなあったはずです。

ですから高校球児にとって、

高校野球は人生の祭りだ!!

ということを心に留めなければいけないと思いました。

灼熱のグランドで!
生涯の友と肩を組んで!
一生出すことのないくらいの大声をだして!
泥まみれになって!
勝って全身で嬉しさを爆発させて!
負けて号泣して!

それを憧れの甲子園でやりたい!それが夢!

大人たちの自己満足的な対策は選手を苦しめるかも

もしかしたら僕ら大人たちが、
目に見える暑い甲子園大会だけを取り上げて、涼しいクーラーの会議室で余計なお世話を議論しているだけという可能性はないか?

余計なお世話が子供たちの夢を奪ってしまうことにつながらないか?

コロナ禍がそうだったように、またすべてを奪ってしまうことになってしまったら?(仙台育英の須江監督の言葉が思い出されます)

まさか日本の高校生が暴動を起こすことはないでしょうが、
海外でしたらデモ行進ぐらいの抗議はするかも。

お前ら学べ!!

と。

一番の当事者を置き去りにしてはいけないと思いました。

ちなみに、酷暑対策議論の原点が、大人が責任を取りたくないが為でしたら最低最悪ですが。

高校球児が考える酷暑対策

僕「じゃあ、酷暑対策するとしたらどんな事が考えられる?」

長男「う~ん、、
冬のトレーニング追い込んで、夏の大会前に暑さに慣れる練習しておけば大丈夫じゃね?
そもそも、これくらいも出来ないんだったら勝てないし」

僕「(笑)まー、わかるけど。。
大人連中はそれでは困る人いるんよ。あえての対策ないの?」

長男「ソフトボールのリエントリー(※)の採用。
一度体調不良になってもまた出場できるから。
今のルールだと、最後の夏で交代が嫌だから体調不良言い出せない子がいると思う」
(※先発メンバーに限り、交代した後に一度だけ再出場できるルール)

確かに。
選手の深層心理をよく理解しています。

言い出せない、言いにくい。

さらに
大観衆の目前で一人手を挙げて「は~い、気分悪いで~す」
とか言い出せない選手もいると思うんです。
「練習不足で弱い選手だ!」とか言う変な人出そうですし。

こういったジャパニーズ高校生の心理をもっと汲(く)む施策が必要だなと。

僕「じゃあ、7イニング制についてはどう思う?」

長男「9イニング制と疲れ具合は変わらんでしょ。何が変わるの??
違いは微々たるもん。たった2イニングだぜ?
というか、中学から高校へきてせっかく9イニング野球が楽しめるのになんで減らされるの。つまらん」

一蹴されました(笑)

確かに
「7イニング制だったら良かったのにな~!」
と思った時って、8,9回に逆転負けした時くらいでした。

その案は選手の気持ちに立った考えか

今回の話は、もしかしたら大人が勝手に難しく議論しているのかもと考えた次第。

もっと選手と大人が胸襟(きょうきん)を開いて議論すべきかなと思いました。

まあ、高野連の会議に選手呼んでも、たくさんのおじ様たちの前で本音は言えないでしょうし(笑)

ですからまずは、選手の気持ちの汲み取り方法を議論してみてはと。
そこからかなと。

重ねまして、あくまでも個人的見解です。悪しからずご了承ください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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