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【ドラマ】ストレンジャーシングス バーバラについて。
友人との会話は、時に、猛烈な探求意欲を刺激する。
数ヶ月に一回行く美容室でのこと。
私は、ストレンジャーシングスにどはまりして、興奮冷めやらない気分で、そこに行った。
わたしは、いつも友人に髪の毛を切ってもらい、パーマをかけてもらう。
髪がとても短いので、美容室にかかる時間は2時間半くらいだが、その2時間半で、数ヶ月にはまったこと、数ヶ月の間に起きたさまざまなことを話すのがとても楽しい。
時に私は、この数ヶ月で自分に何が起きたのか、自分の興味がどのように変化したのかを反芻している。
前回は、青春の記録や、トッケビ。前々回は梨泰院クラス、愛の不時着など、最近は韓国ドラマが多い。その前はジャニーズJr.だった。(現在進行形で興味はある。)とにかく、今回は、ストレンジャーシングスだった。
ストレンジャーシングスに蔓延る集団意識と、個人の意識の関係や、映画内でのファッションの素敵さ、アメリカの80年代の遊園地のなんとも言えない独特な雰囲気の所以•••。(これは別の回で詳しくお話ししたいと思っている。)
マイクや、エルのキャラクターにも、強烈に惹かれた。
また、彼ら、彼女たちの勇気や正義感に圧倒された。
もし、私の身の回りにこんな不可解な、でも、我々を犯す出来事があったとして、それらと正面から戦うこと(しかも死の危険を感じながら)を、自分はできるだろうか、、。
怖いし、リスクがありすぎる。と、こういったように魅力を語っていたら、美容師の彼女は、私が次に美容室に行くまでの間の期間で、ストレンジャーシングスを見てくれた!☺︎
そうして、また、この話をする事になった。
彼女は、やはり、美容師であり、オシャレなので、ファッションやヘアスタイルにとても興味をもったらしい。特にウィルのヘアスタイルやファッションは、とてもかっこいいと言っていた。
また、彼、彼女たちのリアルな身体的な成長と共に、この作品を楽しむことができることも魅力だという話にもなった。
話の内容は、次第に、登場人物たちの具体的な面白さへと、移っていった。
エルと、マイクのもどかしいけど、惹かれあっているかんじ、感情があふれちゃう感じとてもいいよね。
ナンシーと、スティーブのカップルも、なんか考え方の芯の部分でどうしても惹かれたったかんじがすごくいいよね。
ジャスティンが、デモゴルゴンを育ててしまうのが、ダメだけどかわいいよね。
ゲームセンターに行くときのスケボーかっこいいよね。
でも、バーバラの名前が出てこなかった。初めの方で出番が終わったからかな。でも、私はバーバラの死が印象的すぎて、もう、怖すぎて、話さずにはいられなかった。
私は、バーバラが、ナンシーに、友達以上のなにかを抱いていたと思っている。それが愛だと言い切れるほどはっきりとは描かれていないが、バーバラは、ナンシーを大切に思っていたことは確かであるし、バーバラ側に男の影は、一切描かれない。
バーバラの居心地の悪さは、たんに、パーティーをするような友人たちに溶け込めないことへのコンプレックスではないと考える。
バーバラとナンシーの会話部分をもう一度見直したい。
覚えているところだと、ナンシーに「新しい下着?」と聞く場面があるが、そこは、単なる女子トークだと済ませられらるものだと言って仕舞えばそれまでだけど、それ以上のなにかもあるような気がする。
そこで、わたしはこの考えがまだもやもやしたまま、「バーバラは、ナンシーのことが好きだったかもね〜」と言った。
しかし、「えー!それはないんじゃない?」と、「レズ的なものはないでしょ!」という返答が豪速球で帰ってきた。
ぁぁ、やっちまった。
このもやもやは、全世界共通ではない。
普段、クィア、ジェンダー関係の本を読み、学会に参加し、ストレスの発生するような男友達とは距離を置いているから、最近感じていなかっただけで、ジェンダー規範に違和感を感じないひともたくさんいるんだ。
わたしは、世間の認識を過信しすぎていた。
もっと丁寧な言葉を紡いで、大切に説明しないと、びっくりされて、単に嫌悪感を抱かれて、終わってしまう。
美容室で、わたしは、自分の知識では今すぐに上手に説明できる自信がないと判断し、その場では諦めて、「そうだよね、それはいいすぎたかも〜!」と、この話を終わらせた。
勉強不足、言語不足によるものだ。情けない。
だから、わたしは今『クィア•スタディーズをひらく』を読んでいる。
これを読み、知識や、言いたかったことを言い表す語彙をつけて、いつか、またチャンスがあれば説明したい。