読書ノート#1 読書脳
精神科医の樺沢紫苑さんが書かれた本で、
「読んだら忘れない読書術」の改訂版となる。
なぜ、この本を読もうと思ったのか、その理由については、単純で、タイトルにもある通り、
"読んだ本の内容を忘れない術を知りたい"
と思ったから。
そこで、この本を読んだアウトプットをこの場でしたいと思う。
1 この本から学べること
まず初めに
本を読む目的とは、その本から得た知識を活用して"自己成長"することだと、著者は述べている。
そのためには、読んだ本の内容を記憶しておく必要がある。
本書は読んだ本の内容を忘れないようにする読書術について余すことなく書かれている。
読んだ本の内容をすぐに忘れてしまうという方は、まずはこの本を手に取ることをおすすめする。
2 読んだ本の内容を忘れないようにする読書術について
忘れなくする方法について、著者は3つの基本を挙げている。
1
本を読んでインプットしたら、その内容を7〜10日以内に、3回アウトプットすること。
人間の脳のというは常に大量の情報を浴びている状態にあり、重要でないと判断された情報は脳のパンクを防ぐために流されていくようにできている。
逆に言えば、重要だと認識された情報というのは長期にわたって脳に保存することができる。
脳に重要だと認識する基準は2つある
「何度も利用される情報」と「感情が伴う出来事」であるという。
「何度も利用される情報」というのは、つまり、アウトプットされた情報のこと。アウトプットすることで、複数回、同じ情報に触れることになるため、重要な情報だと認識されて、忘れないようにすることができるということ。
具体的なアウトプット方法については、5つほど挙げられている。
①マーカー読書術
本にマーカー引きながら読むことで、1つのアウトプット作業になるという。
その理由について、マーカーを引いたり、ペンで書き込みを入れたりという作業は、本を読むという作業とはまた別の脳の領域を使うことになるため、脳が活性化されて、より、記憶に残りやすくなるのだそう。
マーカーを引くときのコツとしては、重要だと思う事柄でも、自分が既に理解していることには線を引かず、新たに得た「気づき」や「発見」いわば学びとも言える箇所に引くこと。
マーカーで印をつけた箇所が多くなりすぎると重要だと思うポイントが分散されてしまうため、1冊の本で、だいたい3か所くらいを目安にするといいと著者は述べている。
②テレビショッピング読書術
最も簡単なアウトプットの方法に「話す」「勧める」という方法がある。
話す際に意識することが、具体的どの部分が良かったかなど、ある程度、要約しながら、テレビショッピングのように、さまざまに切り口から、本を紹介することを意識すれば、より深く本の内容を理解しようという考えになり、記憶する上では効果的であるということ。
③ソーシャル読書術
読んだ本の内容をX(旧Twitter)などに感想として、呟くという方法。
SNSで発信することによって、第三者に見られるという緊張感がうまれる。それによって、下手なことは書けないため、しっかりと本の内容を伝えようという気になり、本の内容を思い出す作業に真剣に取り組むようになり、より記憶に残すことができるようになるということ。
感想が難しいという場合には、名言などを抜き出して、それに自分の感想を付け加えるというのでも効果的であると述べられている。
④レビューライティング読書術
SNSに感想を書くのが慣れてきたら、書評やレビューという、もう一段階レベルの高いことに挑戦することで、アウトプットの質を高めることができる方法。
感想などよりも、より本の内容を正確に伝えることが必要になるため、本を読み込む能力も養われる。
⑤グレープサワー読書術
お酒のグレープサワーの、グレープフルーツの果汁を搾り取るような感じで
1冊の本からできるだけ多くの知識を得ようと意識することで、本から得れるインプット量を2倍にも3倍にも増やすことができるという方法。
このスクイーズ能力を鍛えるためには、本を読む時にアウトプットを前提にインプットをすることで、インプットの質も高まり、今まで気づかなかったことにも気づけるようになる。気づきがあった時にはすかさずメモを取ることも重要。
2 スキマ時間を活用する
2つ目の基本として、スキマ時間を活用することを挙げられている。
なぜ、スキマ時間が重要なのかについて紹介する。
24時間のうち、移動時間などのスキマ時間を合計すると、断片的な時間というのは、2時間ほどあるといわれている。
その、2時間を「浪費」に使うのか、「自己投資」に使うのかで、大きく差がついてしまう。
そのため、スキマ時間を有効に使う方法が分かれば、自分の人生を大きく変えることも可能になるということ。
具体的なスキマ時間の使い方について、4つほど紹介されている。
①ウルトラマン読書術
ウルトラマンというのは、3分という限られた時間の中でしか戦えない。
しかし、その限られた時間だからこそ、強い力を発揮することができる。
これと同じで、制限時間を決めて、読書に取り組むことで、脳が活性化され、高いパフォーマンスを発揮してくれるようになるという方法。
②5分・5分読書術
何かの作業に取り掛かるとき、「最初」と「最後」で集中力と記憶力が高くなることがさまざまな研究結果で分かっている。
例えば、15分の読書をする場合、初めの5分と終わりの5分が記憶力が高い状態で読書ができている状態ということになる。
60分の読書の場合は、初めの5分、終わりの5分で、合計10分が記憶力の高い状態での読書となる。
15分の読書を4回繰り返すと、60分のうち、40分が記憶力が高い状態で読書できている状態といえる。
よって、15分のスキマ時間の読書を繰り返すだけでも、60分の連続した読書よりも、
記憶に残りやすい読書ができるようになるということ。
③15ー45ー90の法則読書術
人間が集中力を保てる時間というのは決まっている。
15分 → 高い集中力を維持できる限界
45分 → 普通の集中力を維持できる限界
90分 → 休憩を挟みながらであれば集中できる限界
このうちの、最も高い集中力を維持できる15分というのを有効に活用しようというのがこの読書術。
15分というスキマ時間であれば、誰でも確保しやすい時間であると思うため、この時間を読書にあてるだけでも効果的であるといえる。
④熟睡読書術
スキマ時間とは別の時間で読書時間を確保しようと思えば、寝る前の時間というのが有効的である。
寝ている間には、新しいインプットはされないため、記憶の衝突が起こらず、頭の中を整理することができる。
ただし、電子書籍などは不眠の原因にもなったりするので注意が必要。
3 深読を意識する
3つ目の基本は深読を意識すること
深読とは、本の内容をしっかりと理解しながら読む読み方のであると著者は述べている。
本を読むとは、その内容について「議論できる」「説明できる」水準にないと、本を読んだとは言えないと著者は主張している。
本の内容について、議論できないと、ただ字面を追っただけの読書になり、
自己成長には活かすことはできない。
深読できるようにするためには、ある程度、本を読んで、そこで得たことをアウトプットして、インプットとアウトプットのサイクルを繰り返すことによって、鍛えることができるという。
読書の質が担保された状態で、速読などに取り組むのが良いと述べられている。
3 終わりに
ここまで、読んだ本の内容を忘れないようにする読書術について紹介したが、本書には、他にも実践的な本の読み方や、選書の仕方などについても
触れられているので、決まった読書法がないという方や、もっと効率的に本を読んで学びたいという方には、ぜひ、この本を手にとって、書かれている内容を実践していただきたいと思う。
読書で得た知識を活用して、行動を起こすことで、人生を変えることができる
そのための第一歩として、本書で本の読み方を学んで欲しいと思う。