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【人生相談】脱サラ前の不安と向き合う方法
はじめに
今日はお悩み相談会をお送りしたいと思います。
こちらはハスノハという「お坊さんが答えるお悩み相談」のウェブサイトに寄せられたお悩みを、私コウブンが答えていくものです。
もし同じような不安を抱えている方がいらっしゃったら、参考になればうれしいです。
■ お悩み内容:「辛い仕事から解放されるのに不安です」
30代の女性からいただいたご相談です。
タイトルは「辛い仕事から解放されるのに不安です」
6年勤めた会社を辞めます。脱サラで独立の準備をしています。
でも、仕事が残り1カ月を切って不安になっています。
これから自分の人生がどうなるのか。この組織から外れていくことは世の中から消えてしまうのではないか。
このまま家庭に入るような主婦にはなりたくない。
自分の存在意義って何だったのか。会社での実績をもっと認めてほしかった。
引き継ぎの時間も足りない。伝えきれていない思いがたくさんある。
会社が悪い方向に変わってしまうことを阻止したい。
でも、自分の力はちっぽけで、どんどん、どんどん変化していく中で、私は独立を決意したはず。
でも、本当に自分にはできるのか。頭の中をぐるぐる不安が巡っています。
どうしたらいいのかわかりません。でも、忙しかった毎日から解放されたかったし、有休で過ごせる1ヶ月間が待っているから有意義な時間にできるはずなのに。
仕事から解放される前にやるべきこと、仕事から解放された後にやるべきこと、何かをやらなきゃいけないってばっかり思ってしまって窮屈です。
考えることをやめたい、もっと楽になりたい
このように、長年勤めてきた会社を辞める決意をしたものの、
「本当に自分は大丈夫なのか」
と不安を抱えていらっしゃる状態です。
未来が見えないからこそ余計に怖くなる、というのは多くの方が経験するのではないでしょうか。
■ 人生には大きな転機がある
やっぱり人生には大きな転機や岐路があります。
たとえば、転職や結婚、離婚、親の介護、あるいは今回のように独立を目指す場面など、私たちは何度か
「先が見えないけど、進むしかない」
という状況に立たされるものです。
そういうときは、
「このまま行くのがいいのか、それとも踏みとどまったほうがいいのか」
と悩むのが当たり前です。
慣れ親しんだ環境を抜け出すのは怖いけれど、一歩踏み出さないと新しい景色も見えない…
その葛藤が、不安を増幅させてしまいますよね。
■ コウブンの脱サラ経験と心境の変化
私もサラリーマン生活を16年…いえ18年ほど続けてから、思い切ってお坊さんの道に進みました。
実家がお寺だったとはいえ、もともとは普通に勤め人をしていたんです。
そんな私が脱サラを決意したきっかけは、父が心臓の疾患で倒れたことでした。
父が倒れて入院したとき、ふと
「このお寺はこれからどうなるんだろう」
と考えたんです。
小さなお寺ですが、私にとっては生まれ育った大切な場所。
それなのに、もし父がいなくなったら守る人がいないかもしれない—そう思ったら、急に他人事ではなくなりました。
会社員としての生活は安定していましたし、不満もそこまでありませんでした。
でも、このまま定年まで働いて、自分の大切なものを中途半端にしか守れずに終わったら、きっと後悔するだろうな…と強く思ったんです。
そうやって38歳のときに脱サラを決めました。
もちろん最初は不安だらけでした。
お寺を継ぐといっても、何をどうやっていけばいいのか。
仏教のことを学び始めても、知らない世界が広がっているわけで、戸惑うことはたくさんありました。
でも、
「これだけは守りたい、学びたい」
という気持ちが私を支えてくれたんです。
■ 仏教的な視点から見る「不安」
仏教には「無常」という考え方があります。
世の中は常に移ろい変化していくもので、同じ状態がずっと続くことはありません。
変化を恐れたり、変化しないものにしがみついたりすると苦しくなってしまうんです。
独立を考える方が
「未来がどうなるかわからない」
と不安になるのも、ある意味、自然なことなんですね。
たとえば、変わり続ける世の中で自分がどう生きていくのか、それは誰にも答えがわかりません。
けれど、実際には私たちは日々変化の中に生きていますから、その流れを受け入れつつ、自分がどんな道を選びたいかを見極めていくことが大事だと思います。
■ 不安を抱えたときにできること
まずは
「自分が本当に大切にしたいものは何か」
を考えてみてください。
たとえば会社に対して
「もっと認めてほしかった」
という気持ちがあるなら、それだけ自分のやってきた仕事に誇りがあるということですし、会社が悪い方向に変わってしまうかもと心配するのも、今まで大切にしてきた場所だからこそですよね。
そこから
「自分は何を守りたいのか」
「これからどんな思いで生きていきたいのか」
が見えてくると、不安でいっぱいだった未来に対しても
「やりたいことを優先してみよう」
という前向きな気持ちを持てるようになります。
もし考えすぎて頭がいっぱいになってしまったら、いったん意識的に休むことも大事です。
呼吸を整えてみたり、ゆっくりお茶を飲んだり、誰かに気持ちを話してみたり。
いろいろな方法がありますが、
「考えること」
を少し手放す時間を持つと、かえって新しいアイデアや活力がわいてくることも多いです。
■ まとめとお知らせ
先行きが見えないとき、人はどうしても不安になります。
でも、
「本当にやりたいこと」
「自分が守りたいもの」
に意識を向ければ、その不安はやがて行動のエネルギーに変わるはずです。
今回のお話が少しでもヒントになれば幸いです。
もし
「それでも苦しい」
「もっと具体的に相談したい」
という方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントやレター機能などでお知らせください。
私・コウブンでよければ、引き続きお話を伺わせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
独立を考えている方も、転職を迷っている方も、どうかご自身の気持ちを大事にしながら、一歩ずつ進んでみてくださいね。