【ポイントを押さえよう!】文章系公募で入選を狙うには?(2018年11月号特集)
ノンフィクション系
作文・体験記
変に凝らず、わかりやすく
作文というジャンルは範囲が広く、200字程度の体験記、エピソード募集から、原稿用紙10枚の論文に近いものまである。
いずれもノンフィクションのジャンルに属し、創作的なウソを交えることは許されない。体験記などはエピソードを中心に、変に凝った言いまわしをせず、素直に書いたものが好まれる。論文に近いものは「序論・本論・結論」という構成をとり、主題を明確に。
主催者の内部で審査することが多いので、わかりやすいのがいい。
エッセイ
ほっこりさせる系やしみじみ系がウケる
エッセイのほか、随筆、随想という言い方もあるが、内容は同じ。
エッセイ公募は審査員を立てていることが多いが、予選は内部で行われるのが一般。内部といっても編集者やライター、書評家、元教員などだが、能力はピンキリ。それゆえ1つの作品を複数の審査員が読むケースが多い(これはエッセイに限らないが)。
アマチュアが書くエッセイには過度の笑いやうんちくは向かず、ほっこりさせる系、しみじみさせる系がウケる。
審査と入選のポイント:題材は同じも、何かが違う作品
予選では多ければ全体の半分(50%)、少なければ一気に5%ぐらいまで絞る。公募の趣旨に合っていないものも弾かれるが、ネタかぶりもまとめて落とされる。題材は同じだったとしても、「この人にしか書けない」1行がほしい。
フィクション系
童話:読んで面白いこと、教訓話でないこと
童話公募の中の企業系、自治体系はPRや認知度アップなどを目的とし、出版社系、協会系は新人発掘が目的(プロ志向の人向け)。
童話にはグレードがあり、小学校低学年・中学年・高学年、中学生の4つがあるが、明記されていなければ中学年を想定する。
童話は子どものためのお話なので、子どもに理解しにくい内容にしないこと。また、教育的配慮はあっていいが、教訓話は避け、子どもが読んで面白い話にする。
小説:どういう面白さが求められているか
文芸誌(純文学)や小説誌(エンターテインメント小説)を母体とする文学賞はプロの登竜門で、新人発掘が目的。作品の完成度も必要だが、よりのびしろを見る。
文学賞に応募する場合は、カテゴリーミスをしないこと。推理小説、時代小説、ライトノベルなどはそのジャンルであることが前提。
自治体文学、地方文芸では深くて面白い小説が望まれ、新聞発表の都合もあり、官能・暴力・BLなどはまず受賞しない。
シナリオ:ドラマの制作に関われる人
東京のテレビ局主催のシナリオコンクールは、受賞後、東京の現場でドラマの制作にかかわることから、東京近郊在住で、かつ年齢的には30〜40歳ぐらいまで。規定はないが、フットワークが軽く、急な修正にも対応でき、青春ものでも刑事ものでもいろんなジャンルに対応できる人が望まれる。高齢者はまず採らない(一緒に制作するプロデューサーが気を使う)。
ただ、新人発掘が目的でなければ、そこまでは年齢にこだわらない。
審査と入選のポイント:独創性・人間・キャラクター
予選で約90%が落ちる。落ちるものは童話・小説・シナリオになってない作品や、ありきたりな題材のもの。受賞作はうまいのは当然で、さらにオリジナリティーと人間が描けていること、シナリオではキャラクターも重要になる。
特集:ボツちゃん脱出計画
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※本記事は「公募ガイド2018年11月号」の記事を再掲載したものです。