彼は“しょーもない”のオンパレードである。
夫はハッキリした性格だ。基本、人にどう思われるかとか気にしないし、自分の力でどうにもならないことは長く悩まない。人に共感することもほぼなくて、他人の考えや迷いみたいなものをバッサバッサ斬っていく人間だ。わたしが落ち込んでいてもひっぱられることなく『それは俺の課題ではないから』という。すごいよね。本当、ハッキリしすぎてマジでやめてくれって思うこととかある。
例えばわたし達が列に並んでいたとして、ほかの人が列に“気がつかずに”わりこんできたとする。そしたら『わりこみとかありえんだろ』って声にだしていうのよ。聞こえるように。そのわりこみが意図してていてもいなくても、彼のなかではどうでもいい。そしてわたしは隣で他人のフリをする。マジでやめてくれ。
そんな彼と一生一緒にいよう、と決めたのは、好きだから、よりも、この人といられたら生きることがラクになるだろうなと思ったからかもしれない。
わたしは小さなこともウジウジ悩んだり迷ったりする性格で、1人反省会も多いし、人にいわれて傷ついたことや人を傷つけたことも何度も思い出す。そんな時、彼にポロッと相談することがある。すると、
『人を傷つけようとするやつなんか、しょーもないんだから気にするな。』
『そんなの、答えもでないんだから、しょーもないこと考えすぎるな。』
『は!なにそれ。ダサい。しょーもな!」
“しょーもない”のオンパレードである。
なにがすごいって、彼は特別なにか才能があってセンスがあってとかそういう人じゃなくて、ただ自分の感覚に正直なだけで、彼のいう“しょーもない”ことは実際しょーもなくないことだったりする。だから、「なにをもってしょーもないっていってんの?大事なことだから!しょーもなくないから!だから悩んでるんだよ!」っていったり、思ったりする。ただ、彼の“しょーもない”を聞くといつも冷静になって、「確かに、これはたいしたことないと思う人もいるのか。大きく考えすぎる必要はない、かも。」と、呼吸がしやすくなるというか。自分なりの結論をだして終わりにすることができる。そういうことが多かったから、彼と一緒になれたら軽やかに生きていけるだろうと思った。そして実際、もうそれはそれは格段に生きやすくなった。
最近Bリーグが開幕して、彼の大好きなバスケを観られる時期がきたんだけど。今日、推してるチームの試合観ながら『こんなんでファールとるなよ、しょーもない!』と審判にドタバタ怒り狂って、“しょーもない”を連発。子どもが覚えたら嫌だからやめてよ、と思う反面、やっぱり彼の“しょーもない”が好きなんだよなぁと笑えてきて、なんでか投稿することになってしまった。(?)
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