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人生を豊かにする中国古典の名言

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「人生を豊かにする中国古典の名言」シリーズをまとめたマガジンです。 朝晩の通勤時や隙間時間の学びにどうぞ。
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2023年6月の記事一覧

人生を豊かにする中国古典の名言31

【今日の名言】 自己修養に努め、その成果を周囲に及ぼすことで人々を安心させる、という意味。 君子の心得について語った孔子の言葉です。 君子たるもの、自分を向上させるために努力するだけではなく、その努力を通じて周囲の人々にも良い影響を与えなくてはならない、ということですね。 これはアウトプットにも通じるところがあるように思います。 自分の成長のために何かを学ぶ。 学んだことをブログやSNSで分かりやすく発信する。 自分のアウトプットが誰かの役に立つ。 こういった

人生を豊かにする中国古典の名言30

【今日の名言】 駿馬は一日で千里を駆けることができるが、ネズミを捕まえることにおいてはネコに及ばない、という意味。 どんな駿馬であっても、ネズミを捕まえることにかけてはネコの方が得意です。 つまり、物にはそれぞれ違った長所があるのだ、ということ。 これは人も同じですね。 どんな人にも苦手なことがあれば、得意なこともあります。 どうせなら自分の得意な分野で勝負したほうが、より大きい成果をあげられるはずです。 上司やリーダーであれば、その人の長所を見出して適材適所を

人生を豊かにする中国古典の名言29

【今日の名言】 つむじ風は朝の間ずっと吹き続けることはできないし、激しいにわか雨は一日中降り続けることはできない、という意味。 老子の例え話ですね。 大自然でさえ、つむじ風や激しいにわか雨を長い時間続けることはできません。 まして人間なら尚更無理でしょう。 つまり、長く続けたいのであれば無理をしてはいけない、ということですね。 頑張るのは良いことだと思いますが、無理しすぎると体を壊してしまいます。 長く続けていきたいのであれば、無理はしないことが大事です。 長

人生を豊かにする中国古典の名言28

【今日の名言】 天地万物のものはみな等しく、そこには何の違いもないのだから、自分の基準で相手を測ってはいけない、という意味。 『荘子』では、次のような例え話が挙げられています。 ある人が相手の指を見てこう言いました。 「お前の指は指じゃない。私の指こそ、本物の指なのだ」 またある人は、相手の馬を見てこう言いました。 「お前の馬は馬じゃない。私の馬こそ、本物の馬なのだ」 どちらも、自分の基準をもとに相手の良し悪しを勝手に決めつけていますね。 この例え話をもとに、

人生を豊かにする中国古典の名言27

【今日の名言】 十分な史料と賢者が足りないからだ、という意味です。 みなさんも良くご存知の「文献」という熟語はここからきています。 「文」が史料、「献」が賢者ですね。 今回の言葉は、古代の礼に関する十分な史料や賢者が不足していることに対して、孔子が嘆いて言ったものです。 過去を伝える史料はとても大事なもの。 当時の人の思いだけではなく、それを現代にまで伝えてきたたくさんの人々の思いも含まれています。 博物館や寺社仏閣を訪れるたびに、「私もこれらの史料を次代に繋い

人生を豊かにする中国古典の名言26

【今日の名言】 他人が自分のことを分かってくれないことなんか気にせず、自分が他人を分かってあげられないことのほうを気にかけなさい、という意味。 他人からの評価なんて気にせず、むしろ自分が他人をきちんと評価できるようになりなさい、ということですね。 孔子は自身の体験に基づき、人として正しくあろうと心がけていれば、他人からの評価は後からついてくると考えていました。 孔子は20代で周王朝の都に留学に行き、30代で斉という国の就職面接に行きますが、残念ながら失敗。しばらく地元