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論語

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『論語』に関する記事をまとめています。
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2024年2月の記事一覧

冷めたスープを温め直すように、過去から新たな気づきを得る(『論語』為政篇)

今回取り上げるのは『論語』為政篇からの言葉。 過去の歴史や伝統を見つめ直し、新たな学びを得る。 そうすることではじめて他人の師となることができるのだ、という意味。 「温故知新」という四字熟語として、『論語』の中でも特に有名な言葉ですよね。 皆様も、学校の教科書などで一度は見聞きしたことがあると思います。 もしかしたら、そのときは「フルきをアタタめて」ではなく、「フルきをタズねて」と読んだかもしれません。 これは典拠とした注釈の違いによるものなので、どちらでも正解です

目の前の利益ではなく、思いやりの心に従って生きたい(『論語』里仁篇)

今回取り上げるのは『論語』里仁篇からの言葉。 利益本位で行動すると、怨みを買いやすくなる、という意味。 孔子自身の言葉です。 つまり、利益のために行動すると余計な怨みを招きやすいから、仁の心に基づいて行動しなさい、ということですね。 孔子といえば仁の人で有名です。 そのイメージから、孔子はお金や権力を得ることを否定していたと思う方もいらっしゃるかもしれません。 ですが、実は彼は、利益を得たり、高い地位を得たりすること自体を否定していたわけではないのです。 財産と