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詩経

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『詩経』に関する記事をまとめています。
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#大人の教養

「他山の石」の誤用を他山の石として、言葉は正しく使っていきたい(『詩経』小雅・鶴鳴篇)

今回取り上げるのは『詩経』小雅・鶴鳴篇からの言葉。 他国の山の石であっても、玉を磨くのに使うことができる、という意味。 もともとは、国を治める方策について語った言葉です。 つまり、他国の優秀な人間は、たとえ身分が低くても積極的に登用すべきだ、ということですね。 今ではそれが転じて、他人の誤った言動を自分の修養に役立てる、といった意味になっています。 いわゆる「他山の石」というやつですね。 現代でも時々使う慣用句だと思います。 そういえば、ネットで見たのか、直接耳

自分の言葉に責任を持って行動できていますか?(『詩経』正月篇)

今回取り上げるのは『詩経』正月篇からの言葉。 人々は皆、「自分は優れている」「自分は行いは正しい」などと言っているが、誰がカラスのオスとメスを区別することができるだろうか、という意味。 カラスを見てオスメスを判別することができる方はいらっしゃいますか? 少なくとも私はできません。 仮にカラスと意思疎通ができて、「ボクはオスだよ」と教えてくれたとしても、私にはそれが本当かどうか見分けがつかないと思います。 どのカラスも(私にとっては)見かけ上は同じカラスに見えるからで