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詩経

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『詩経』に関する記事をまとめています。
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飲み会は大事かもしれないけれど、自分の健康の方がもっと大事(『詩経』小雅・鹿鳴篇)

今回取り上げるのは『詩経』小雅・鹿鳴篇からの言葉。 鹿が互いに呼び合って、仲良く野のヨモギを食べている、という意味。 「呦呦」というのは鹿の鳴き声のこと。 人々が大事な人と互いに談笑しながら楽しく飲食する様を表した例えです。 この鹿鳴篇は、天子が臣下や客を招いてご馳走を振る舞う様子を歌っています。 天子とは古代中国における支配者のことで、天帝から地上の支配を任された王様のような人のことです。 有名な「鹿鳴館」もこの篇が名前の由来になっています。 各国の賓客を招い

VUCA時代に求められるスキルは中国古典で学ぼう(『詩経』邶風・匏有苦葉篇)

今回取り上げるのは『詩経』邶風・匏有苦葉篇からの言葉。 川が深いときは衣全体をまくり、川が浅いときは裾だけをまくって渡る、という意味。 歴史や時代の流れは川に例えられますが、川を渡るのにも色々な方法があります。 深ければ服が濡れないように気をつけなければなりませんし、浅ければ靴を脱いで裾をまくるだけで良いかもしれません。 いつの時代も、その時々の流れに応じた在り方というものがあります。 つまり、世の中の変化に合わせて適切な態度を取りなさい、ということですね。 今の

自分の心に映る他人は虚像に過ぎない(『詩経』邶風・柏舟篇)

今回取り上げるのは『詩経』邶風・柏舟篇からの言葉。 私の心は鏡ではないのだから、他人の心を推しはかることはできない、という意味。 「もしかして〇〇さん、私のこと嫌いなのかな・・・」 「ちょっと言い方が悪かったかな。〇〇さん気にしてるかも・・・」 繊細な方であれば、相手や自分の言動を気にして悩んでしまうことがあるのではないでしょうか。 ですが、それは自分がそのように思っているだけにすぎません。 自分の心は鏡ではないので、相手の気持ちを正確に映し出す(把握する)ことはで